目次
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第1回 自治体ビジネスに「コンテンツマーケティング」を活用!発信すべき3つの情報とは?
顧客の購買行動を引き出すマーケティング手法のひとつに「4P分析」というものがあります。
実はこの手法、自治体ビジネスにも応用できることをご存知でしょうか?
今回は自治体ビジネスでコンテンツマーケティングを用いるメリットと、具体的に発信する3つの情報について解説していきます。
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(目次)
■コンテンツマーケティングを自治体ビジネスに取り入れるメリット
■コンテンツマーケティングで発信する3つの情報とは?
ーー他の自治体の実施例
ーーデータなどの客観的情報
ーー先進的な取り組み
■まとめ
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■コンテンツマーケティングを自治体ビジネスに取り入れるメリット
コンテンツマーケティングは「有益な情報を発信することで、潜在顧客を惹きつける手法」といわれています。
この手法を自治体ビジネスに置き換えると「自治体にとって有益な情報を発信することで自社の信頼を高め、関係の構築に役立て営業提案をしやすくする手法」ということになります。
自社の認知だけでなく、信頼関係構築の第一歩として有効な手法といえるんですね。
自治体は、課題解決のために予算を使うことが仕事のひとつです。
そのため課題解決の手立てとなる情報を常に求めています。
地域住民が課題と感じることは日々変化するため、最善の策を考えるうえでも最新の情報は欠かせません。
そこで役立つのがコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングの目的は「有益な情報を発信し、興味を持ってもらうこと」ですが、その情報の中には自治体にとって課題解決のヒントになるもの、次年度の取り組みの参考になるものもあるはずです。
有益となる情報を、定期的に発信していくこと。
こうした活動をする企業は自治体の各部署にとってありがたい存在となり、信頼関係の構築につながっていきます。
■コンテンツマーケティングで発信する3つの情報とは?
では実際にどんな情報を発信すれば良いのでしょう?その答えが下記の3つです。
・他の自治体の実施例
・データなどの客観的情報
・先進的な取り組み
ひとつずつ解説していきましょう。
・他の自治体の実施事例
自治体は想像以上にリスクを嫌う組織です。そんな時に参考となるのが「実施済みの自治体事例」。すでに一定の実績をあげている自治体の取り組み事例は、リスクを抑える意味でも重要な意義を持ちます。製品・サービス導入後の結果が見える実例は議会に対しても説明がしやすく、説得力を持たせることができます。
・データなどの客観的情報
事例は近隣他都市や人口が同程度だと、より重宝されます。また取り組みが地域にどのような影響を与えたのか、効果を客観的に測れるデータが揃っていると信憑性が高まります。実績を上げている自治体の実例に客観的なデータを上乗せすることで、情報はさらに有用となるでしょう。
・先進的な取り組み
これまでにない技術的で先進的な取り組みも自治体にとっては「貴重」とされる情報のひとつです。民間企業の間で広がった技術も、有効性が証明されれば導入の検討対象に入ります。こまめに情報を収集しておきましょう。
■まとめ
自治体に自社の製品やサービスを知ってもらい、信頼関係を築くために下記の3つの情報を発信してみましょう。
・他の自治体の実施例
・データなどの客観的情報
・先進的な取り組み
ポイントは自治体にとって「有益な情報」であることです。
定期的なリサーチでこまめに情報を提供していきましょう。
第2回 民間企業が自治体に情報発信する「ベストなタイミング」と伝え方のコツとは?
自治体ビジネスでは、コンテンツマーケティングなどの手法を用いて、自治体に有益な情報を定期的に提供することが信頼関係の構築につながります。
ではこの「情報を提供するベストなタイミング」とはいつなのでしょう?
今回は意外と重要なタイミングについて、そしてその効果を高める伝え方コツについて詳しく解説していきます。
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(目次)
■情報提供のタイミングを見誤ると、情報の価値がなくなる!?
■ベストなタイミングは「4月から8月のお盆前くらい」
■なぜその時期なのか?
■情報の提供先は?
■まとめ
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■情報提供のタイミングを見誤ると、情報の価値がなくなる!?
コンテンツマーケティングとは、相手に価値ある情報を提供してコミュニケーションを行うマーケティング手法のひとつです。
コンテンツマーケティングを自治体ビジネスに応用する場合も「自治体が欲しい情報」を提供する必要がありますが、実はいつでも届けていいというわけではありません。
自治体に価値ある情報を提供するには、その「時期」がとても重要です。
提供時期を見誤ってしまうと、コンテンツにかけてきた時間や手間が無駄になり、集めてきた情報の価値がなくなってしまいます。
このタイミングを見誤らないようにしましょう。
■ベストなタイミングは「4月から8月のお盆前くらい」
では自治体に情報を提供するのにベストなタイミングとはいつなのでしょう?
結論をいうと「4月から8月のお盆前まで」となります。
この時期に役立つ情報を提供すると、自治体側は「分かってくれているな」と感じ、信頼度が高まります。
さらに副次効果として
・ほかにもいろんな情報を持っていそう
・話をもっと聞きたい
・どんな事業をしている企業なのだろう?
といった自社への興味を持ってもらえる可能性もあります。
■なぜその時期なのか?
情報提供に、ベストな時期があるのはなぜなのでしょう?
それには自治体の中で組まれる「予算のプロセス」が関係しています。
今、表に発表されている入札や企画提案などの案件は、原則として前年度に合意形成を図り作成されたものです(補正予算等は例外)。
議会、首長、財政部門、事業部門と複数の部門が関わり、年間計画のプロセスに沿った形で予算が決められていきます。
民間企業側からは普段見えない仕組みなので分かりづらいですが、このプロセスに沿って情報提供できるか否かで、自社への印象が大きく変わってしまうのです。
■情報の提供先は?
では情報の提供時期が「4月から8月のお盆前まで」と分かったところで、どこに提供するのか?を考えていきましょう。
正解を先にお伝えしてしまうと、提供先は「事業部門」となります。
事業部門は地域課題の解決のために民間サービスを利用したり、事業を計画して実行したり、ものを買ったりするところです。
ここでは領域ごとに地域住民に向き合い、様々な取り組みを実行しています。
情報提供を行うのはこの事業部門になりますが具体的には総務課・情報政策課・広報公聴課・産業振興課・企画政策課・観光振興課・都市計画課、農林水産課など「〇〇課」という部署名がついています。
自社がアプローチする課はどこになるのか、確認しておきましょう。
「4月から8月のお盆前まで」は事業部門が情報収集し、次年度事業を検討する時期です。
この時期は情報を幅広く収集し、次の年度でやるべきことを検討しているため、民間企業から有益な情報をもらえると非常に喜ばれます。
この時期を上手く活用し、自社の信頼を高めていきましょう。
■まとめ
・情報提供に最適な時期は、4月から8月のお盆前まで
・提供先は各自治体の事業部門
上記2つのことを頭に入れて、互いに有意義となる情報提供を行っていきましょう。
第3回 自治体に情報提供するときは「紙」が有効である3つの理由
自治体との信頼関係を構築するためのアプローチ法のひとつに「情報提供」がありますが、実はこの情報提供時にちょっとした気遣いができることをご存知でしょうか?
誰しも、ちょっとした気遣いをされると嬉しいものですよね。
少し意識することで、日々の気遣いが自治体との関係性をより良いものにしてくれるはずです。
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(目次)
■結論!「紙媒体」で提供する
■自治体職員さんが「紙」だと助かる3つの理由
①回覧するときに便利だから
②上司に説明しやすいから
③メールだと開封されない怖れがあるから
■まとめ
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■結論!「紙媒体」で提供する
自治体に情報提供を行うときの最大の気遣いは、ずばり「紙で提供すること」です。
デジタル化が進むこのご時世、「紙」でいいの?と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし自治体は「紙」のほうがありがたいのです。
なぜでしょうか?
もちろん内部では、徐々にデジタル化や電子決済が進んでいます。
ただ2021年現時点においては、まだまだ紙が優勢なんですね。デジタル化が進んでいるだろうからデータで渡すのではなく、今自治体はどのような媒体で情報を扱っているのか?をリサーチする。
そして、今のやり方に合わせた情報提供を行うことが自治体ビジネスを有利にすすめることに繋がっていきます。
■自治体職員さんが「紙」だと助かる3つの理由
では、自治体はなぜ紙媒体だと助かるのでしょうか?
民間と比べ、デジタル化が大幅に遅れているから?
情報は紙でなければ……という固定概念があるから?
そんなことはありません。
自治体職員さん側から見た「紙だと助かる理由」を3つほどあげてみましたので、ご覧ください。
①回覧するときに便利だから
②上司に説明しやすいから
③メールだと開封されない怖れがあるから
ひとつひとつ、解説していきましょう。
―――回覧するときに便利だから
自治体ではひとつの情報を内部で回覧しますが、その回覧の仕組みが部署ごとのルールで明確に定められています。
例えば、共有したい資料に「押印チェック表」のようなものを添付し、資料に目を通した人がその表に押印する、といった仕組みです。昔ながらの情報チェックスタイルですが、現時点ではこの仕組みが自治体内部に定着しています。
この仕組みに対して「手間だから、やり方を変えればいいのに」と感じる民間企業も多いかもしれません。
けれど新たな公務がどんどん上積みされて超多忙な自治体職員さんにとっては、少しのルール変更によって周りの職員に説明や理解を求めたり、やり方を共有したりなどの想像を遥かに超える負担が生じます。
その負担をかけないためには既存の「回覧システム」に乗せる配慮をする。つまり相手に合わせることです。これは普遍的なビジネスマナーにも当てはまることかもしれませんが、どんな仕事も目的を達成するためには相手目線を忘れないようにしたいものです。
―――上司に説明しやすいから
自治体では採択や検討について職員個人が判断し、進めることができません。
自治体職員さんが守らなければならない以下の法律がありますので、少しご紹介しましょう。
法令等及び上司の職務上の命令に従う義務(地方公務員法第32条)
職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
注目すべきは「上司の命令に忠実に従うこと」が法で義務付けられているところです。
民間企業の社員にはにわかに信じがたい、厳しい仕事環境ではないでしょうか。
「この情報をもっと知りたい・取り組みを検討したい」と思っても、権限のない一般職員さんは勝手に進めることができないのです。情報提供の前には上司に報告後「情報交換しても良いかどうか」の許可を得るステップが必要になりますが、ここで「紙」媒体が役立ちます。
自治体のパソコンは外部に接続できる台数が制限されていますし、小さな自治体では外部接続したパソコンがフロアに1台しかないこともあります。
そんなときはコピーしてすぐに共有でき、見ながら説明もできる「紙」が非常に役立ちます。紙であることで、スピード感を持って承認を得られ、次に進めることができるのです。
―――メールだと開封されない怖れがあるから
前述したように自治体では、外部と接続するパソコンの台数が限られています。
提供された情報は各課に設置されている「庶務担当係」のパソコンに送られ、庶務担当職員が確認して該当する係に振り分けることが多いですが、実はそのアドレスには地域住民や地域団体からのお声も多く寄せられています。
自治体職員さんは地域住民や事業者のために仕事をしているため、地域住民からのお問い合わせやご意見への対応を優先します。
つまり公務に関係のない情報提供メールの優先順位は下がります。そのため開封されない、あるいは開封されても対応されないケースが出てくるのです。
しかし紙であればどうでしょう?
その場で職員さんに目を通してもらい、対応してもらえる可能性が高まりますし「開封されないリスク」を負うこともなくなります。
■まとめ
情報提供は「紙」で提供すること。
その理由は
①回覧するときに便利だから
②上司に説明しやすいから
③メールだと開封されない怖れがあるから
であることをお伝えしました。「相手にとって便利なことは何か?」自治体との関係性をより良くするためにも、相手目線を忘れずにいたいものですね。ぜひ意識してみてください。
第4回 自治体が本当に欲しい「情報」とは?3つのチェックポイント
自治体アプローチのひとつ「情報提供」では「どんな情報をどのように提供すればいいか、漠然としすぎて分からない」という声をよく耳にします。
情報提供の大きな目的は信頼関係の構築ですが、まずは自社に興味を持ってもらう必要がありますよね。
ではどんな情報提供をすれば、自社に興味を持ってもらえるのでしょう?
今回は、情報提供の3つのポイントをお伝えします。
どんな部署にも応用できますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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(目次)
■3つのポイントをクリアすることで得られるメリット
■3つのポイント
―――自社紹介はいちばん最後に
―――「ファクト」を盛り込む
―――「結果」+「プロセス」を見せる
■まとめ
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■3つのポイントをクリアすることで得られるメリット
情報提供をする際、自社に興味を持ってもらうためにできる工夫があります。
ただその前に、自社に興味を持ってもらうことのメリットについて、改めて考えてみましょう。
多くの民間企業の中から選んでもらうためには、何よりもまず自社を知ってもらう必要があります。
知ってもらうためには自治体に顔を出せばよい、資料を渡せば良いと考える方もいるかもしれませんが、実は「関心」を持ってもらわなければ人の記憶には残りません。
人間は自らに関係のないことには無関心です。
それは自治体も同様で、自部署の課題解決に関係のない事柄については無関心になってしまうんですね。ただ顔を出すだけ、資料を渡すだけでは「あれ、そういえばあの企業の名前何だっけ?」と覚えてもらうことも難しい…。
ではどうしたらいいのでしょう?
そんなときは「聞きたくなるようなポイント」を提供したい情報の中に盛り込んでおくのです。
すると、その情報はただの情報ではなく「その情報を提供した企業に興味を持ってもらえる見せ方をした情報」になります。
自社に興味を持ってもらうことが、自治体ビジネス成功への第一歩になるのです。
■3つのポイント
では自社に興味を持ってもらうために、どんなことをすべきなのでしょう?
情報提供の際はぜひ、下記の3つを意識してみてください。
・自社紹介はいちばん最後にする
・「事実」を盛り込む
・「結果」+「プロセス」を見せる
どういうことか、ひとつずつ説明していきますね。
―――自社紹介はいちばん最後にする
例えば、A社の田中さんの事例を基にしてみましょう。
A社のターゲットは自治体Bです。 A社はほかの自治体で行っている取り組みをまとめた資料をつくり、担当者の田中さんは自治体Bに足を運びました。この自治体との取引はまだゼロです。
せっかく足を運ぶのだから、ひとつでも多く自社のことを知ってもらいたい!と思った田中さんは、「まずは弊社のことをご説明いたしますね!」と、意気揚々に説明し始めました。
持参した資料をめくると、そこには自社の沿革、製品・サービスの強み、誰でも名を知る取引企業の名前がズラっと並んでいます。ほかの自治体の取り組み事例は、最後の方に記載されていました。
この情報提供は果たして、上手くいったといえるのでしょうか?
実はこれ、いちばんやってはいけないケースです。
自治体は自部署の課題解決に関係のない情報、そしてその関係のない情報をグイグイ押してくる企業には無関心です。彼らの興味は田中さんの事例でいえば「他都市の取り組み」。この情報のみなんですね。
にもかかわらず、資料の冒頭で関係のない情報がズラズラと並んでいたら、どうでしょうか?
仕事が山積みで時間に追われている中、延々と関係のない話をされたら、みなさんはどんな気持ちになりますか?
自社の紹介は資料のいちばん最後に行い、担当者と連絡先を明記するのみにとどめておきましょう。
製品やサービスの詳細は、聞かれたら答える程度で問題ありません。
―――「事実」を盛り込む
提供する情報には、
・Who(だれが)
・When(いつ)
・Where(どこで)
・What(なにを)
・Why(なぜ)
・How(どのように)
といった5W1Hを用い、事実を客観的に示しましょう。
グラフやデータなどの数字があればさらに効果が高まります。
自治体は数多くのステークホルダーに説明責任を果たさなければならないため、事実と裏付けのデータは有用なコンテンツとされています。
例えば
調査内容:テレワーク対応、導入状況について
対象:自治体Cの周囲30自治体
調査機関:2021年9月1日~11月30日
調査方法:WEBアンケート
上記のような調査結果を事実を踏まえて自治体Cに提供してみましょう。
自治体にとって他自治体の取り組み事例はとても役立つ情報となり、自社への興味・関心と共に信頼度も高めていくことができるでしょう。
―――「結果」+「プロセス」を見せる
「結果」と「プロセス」。このふたつはそろってこそ重要です。
例えば、 「D市は令和元年に株式会社Aと包括連携協定を結び、●●の実証実験に取り組んできた結果、このような成果が出ました」というようなプレスリリースを見かけたことはないでしょうか?
これが「結果」になります。
「どうなったか?」という結果は指し示すのはさほど難しいことではないため、他社との差別化が難しくなりますが、そんなときは「プロセス」に注目してみましょう。
自治体が知りたいことは、
・どうやって内部調整を進めたのか?
・どんな課題があり、どうクリアしたのか?
・キーマンは誰だったのか?
といった、外には出にくい情報です。
実務を担当する自治体職員にとって関心があるのは、それらの情報をもとに再現することです。
こうしたプロセスの詳細が分かる情報提供をすることで、
・自分たちの自治体でも実現可能なのか?
・どのような対応が必要なのか?
の判断ができるんですね。
どんな方法で実現したのか?どんなところに苦労したのか?どう解決したのか?他自治体の職員さんにヒアリングを行ってみましょう。結果とプロセスの両方を盛り込んだ情報提供は、影響力を持つコンテンツとしておおいに力を発揮するはずです。
■まとめ
―――自社紹介はいちばん最後に
―――「ファクト」を盛り込む
―――「結果」+「プロセス」を見せる
自社に興味を持ってもらうための情報提供のコツを3つお伝えしました。
少しの工夫で効果は無限大。ぜひ活用してみてくださいね。