第1回 プロポーザルに挑戦!~「勝つ」ための公告書類の読み解き方~

みなさん、こんにちは。
株式会社LGブレイクスルー代表取締役の古田智子です。

今回から始まる「プロポーザルの戦い方」に関する全4回のメルマガ。
第1回目の本日は「広告書類の読み解き方」です。

自治体が民間企業に仕事をお願いする形として近年増えている「プロポーザル」。
プロポーザルに参加する際は、まず広告書類の内容を丁寧に読み解いていく必要があります。

第1回目の今回は「勝つ」ための広告書類の読み方について、お話していきましょう。

■プロポーザルとは?

プロポーザルはよく「コンペ」と混同されます。
どこがどう違うのか、気になりますよね。

コンペで評価されるのは「提案」ですが、プロポーザルで選ばれるのは「組む相手」。
解決策を提案しながらも、自治体は「組む相手としてどれだけふさわしいか」を確認しています。

プロポーザルの英語の綴りは、提案という意味の「proposal」になります。
実はこれには「結婚の申し込み」という意味も…。「パートナーとして意思表明する」というのは自治体ビジネスにおいても同じ。自治体にとっても民間企業にとっても大切なイベント、といえるのです。

■まずは「エントリーするか否か」を決めること

プロポーザル案件は前年度から同じ企業が継続して受注しているケースも少なくありません。
その場合、その企業のやりやすい内容で案件がすでに作成されていることもあり、生半可な対策では太刀打ちできなくなります。

「自社で受けられる案件かどうか」を吟味せず、やみくもにエントリーして企画提案書をつくっても、受注できる可能性は少ない…。まずするべきことは「エントリーするか否か」を決めることなのです。

では、勝てる見込みがあるのかどうか。どう見極めればいいのでしょう?

そこで重要になってくるのは「参入障壁」です。

参入障壁とは前年度の企業が自社に有利になるように仕掛けたルールのこと。
いくつか種類がありますが、具体的には下記のような障壁があります。

1、 参加資格障壁
参加条件に実績件数、技術者の保有資格、本社・本店所在地などの制約がある 
(プロポーザル実施要項・入札説明書、仕様書などに記載)

2、 業務内容障壁
独自の技術やノウハウが必要、他社がマネできない製品仕様などの技術的条件がある
(仕様書に記載)

3、 評価基準障壁
評価基準の配点、項目の内容が他社の実績や強みに有利な状態になっている
(プロポーザル実施要項・入札説明書)

4、準備期間障壁
企画提案書提出までの期限が極端に短い、準備が難しい提出物を設定している
(プロポーザル実施要項・入札説明書)

5、予算規模障壁
大幅に予算オーバーとなるような価格、項目が設定されている
(予定価格)

公告書類を手に入れたら、まずはこうした障壁が仕掛けられていることを理解していきます。
そして自社に勝ち目がありそうかどうかを見極めていきましょう。

■自治体の「目的」を洗い出してみよう!

プロポーザル案件で勝つためには、自治体が「何を求めているのか?」を広告書類から読み解いておく必要があります。

実際の案件内容を見ながら解説していきましょう。
下記はプロポーザル方式で発注されたA市の「防災ガイドブック作成業務委託」実施要項です。
案件の目的を理解することを意識して読んでみましょう。

市では「防災ガイドブック」を発行。全世帯に配布して防災意識の向上を図ってきた。
しかし全国で毎年大規模災害が発生し、新たな避難対策や情報伝達手段の在り方にも変化が見られる。そこでガイドブックの内容を見直し、最新の知見に基づいた情報を伝える必要がある。
また洪水・津波ハザードマップを更新したため新たなハザードマップを市民に周知する必要がある。
これらを踏まえ専門的知見、創意工夫を反映しながら市民目線での防災ガイドマップ作成を行うことを目的とし、本プロポーザルを実施する。

このプロポーザルで、自治体が民間企業に求めていることは何でしょう?

自治体の考えを大きくまとめると、下記の2つになります。
・最新の知見に基づいた災害情報を分かりやすく伝える必要があること
・新しいハザードマップを市民に周知する必要があること

そして、ここで注目したいキーワードがあります。
それが「専門的な視点」「創意工夫」「市民目線」です。

自治体は単純に「安いところに頼めばいい」と思っているわけではなく、これらの要素を持つ優れた企業を求めています。自治体がやってほしいと思っていること、キーワードを企画提案書に盛り込んでいくことが「勝てるプロポーザル」につながります。

広告書類からはこうした自治体の目的、キーワードを抽出しておきましょう。

■「どんな企業を選ぶか」は、各項目への点数評価でおこなわれる

自治体は仕事を発注したい企業をどのような基準で決めているのでしょう?
この基準は仕様書の「選定方法」に記載されています。

多くは評価項目にそって点数評価する方法をとっていますが、この配点や加重倍率が案件によって異なります。
例えば100点満点中「企画提案」の配点が70点、「業務実施体制」は20点、「見積額」は10点の案件があったとします。

この場合、赤字覚悟で安い価格を設定しても、もらえる点数は最高でも10点。
この案件で見積額を重視しても勝敗にはさほど関係ないことがわかります。
どのように点数評価がおこなわれるのかを広告書類で確認することで、比重を置くべきポイントが見つかります。

■見落としを防ぎたいなら「音読」がおすすめ!

公告書類は内容が細かいため、どうしても見落としが多くなってしまうもの。
読み飛ばした小さな見落としが失敗につながることもあります。

見落としを防ぐためには、メンバー複数人で「音読する」のもひとつの方法です。

複数人で音読するメリットはたくさんあります。例えばよく出てくる単語がわかるので自治体の重視しているワードを発見できますし、不自然な言い回しや曖昧な単語に気付いたら事前にピックアップしておき、自治体に確認できます。

読んだつもりで確認を終え、提案書を書き始めてから分からないところが出てきた…!となっても、そのタイミングではすでに自治体への質問期間が終わっていることも。
疑問点が解消できなければ、提案書の内容も不十分なものになってしまいますよね。
音読の発想はなかなかないかもしれませんが、広告資料の読み込みは「音読」が意外におすすめです!

■まとめ

プロポーザルに参加する前にまず「やるかどうか」を決めること。
決めるためには「参加障壁」や案件の「目的」、「配点評価基準」なども確認しながら勝ち目がある案件にエントリーすることが大切です。

【無料相談のご依頼はこちら】