福岡県の入札に参加したい!入札手続きや注意点など徹底解説

自治体ビジネスの実績を作り、今後の取引を広げるためにも、入札に参加することをご検討の方々は多いかと思います。
ここでは、
- 福岡県庁の入札に参加してみたいけれど、傾向を知るにはどうしたらいいのか?
- 福岡県庁の入札情報はどうすれば調べられるのか?
- 入札の流れや、入札に参加するための条件は何か?
について徹底解説します。
目次
福岡県庁の入札の傾向を知るには?
入札結果情報の探し方
どのような入札案件で、どのような企業が落札しているのでしょうか?
落札実績のある他社や落札内容を調べてみることをおすすめします。
落札情報については、福岡県庁公式ホームページにて発表されています。
なぜ、落札情報について公式ホームページで入札結果を公開するかというと、
✔︎ 入札の透明性のため |
です。
「福岡県庁トップページ」→「テーマで探す」のプルダウンメニューにカーソルを合わせてください。
「県政情報」を選びます。
(出典 福岡県庁)
「入札・公募・公売」を選びます。
(出典 福岡県庁)
それでは「入札結果」を開いてみましょう。
入札結果の読み方
次に入札結果の読み方について解説します。
公開されている入札結果は次の内容です。
タイトル | 内容 | ポイント |
公告 | 落札者等について、次のとおり公示します。
令和○年○月○日 △△△長 ○○○ |
導入部分です。
で公告されます。 ※所属長の名前は、入札の金額や規模の内容によって違います。 |
1 案件名 | (例) ○○ガイドブック | 入札の案件についてわかりやすく書かれています。 |
2 調達物品名及び数量 | (例)○○ガイドブック○冊 (例)○○システム賃貸借一式 |
入札した物品などの詳しい品名と数量が書いてあります。 契約の方法によって、単位が違います。 |
3 契約に関する事務を担当する部局の名称及び所在地 | (1)部局の名称 福岡県○○部○○課 (2)所在地 福岡県福岡市〜 |
入札の担当をした部署や部署の所在地を表しています。 |
4 落札日 | 令和○年○月○日 | いつ落札したか?について元号入りで記載しています。 |
5 落札者の氏名及び住所 | (1)氏名 〇〇株式会社〇〇支店 (2)住所 |
落札した企業名と住所について記載されています。 |
6 落札金額(消費税及び地方消費税の額を含む。) | (例)31,468,571円 | 落札金額について記載されています。 |
7 契約の相手方を決定した手続 | (例)一般競争入札 | どのような入札方式だったか?について記載されています。 |
これらの公開情報を確認してみると、最近の入札の傾向を分析しやすいでしょう。
建設工事の落札結果を知るには
福岡県では、
✔︎ 入札の透明性 |
のために、
予定価格が250万円を超える建設工事については一覧を作り公開しています。
期間は、2ヶ月ごとです。
部局ごとは次のとおりです。
- 保健医療介護部
- 商工部
- 農林水産部
- 県土整備部
- 建築都市部
- 教育庁
- 警察本部
- 企業局
です。
PDFファイルだけでなく、エクセルファイルで公開している期間もあります。
類似した建築工事であっても、部局ごとに分けられて記載されています。
是非、それぞれの部局をチェックしてみてください。
福岡県庁の入札情報はどこにある?
福岡県庁の入札情報を集めるには、
①インターネット
もしくは
②直接福岡県庁の担当課で資料を貰う
という方法があります。
直接福岡県庁の担当課を訪問する方法もありますが、数多くの窓口を回る必要も出てくることがあります。
多くの入札情報を一度にチェックするには、①インターネットによる入札情報集めがおすすめです。
それでは、福岡県庁の入札情報は、公式ホームページのどこにあるでしょうか?
福岡県の公式ホームページ「トップページ」を読み進めていると
「新着情報」の欄があります。
(出典 福岡県庁)
新着情報の「入札・公募」に新しい入札情報が出てきます。
「入札・公募」のページでは、入札や公募の条件の絞り込みができます。
・キーワード検索
・担当部局別検索
・公告日(公告した日)
・受付期限日
での絞り込みが可能です。
(出典 福岡県庁)
福岡県庁の入札のながれ
官公庁が発注先の事業者を選ぶ方法には、大きく3つあります。
一般競争入札・指名競争入札・随意契約があります。
一般競争入札とは | 入札参加者を広く募集し、入札を行い、落札者(契約相手)を決定します。 もっとも透明性・公平性が高い入札方法です。 |
指名競争入札とは | 事前に入札参加者を官公庁が複数選びます。 自治体が選んだ複数の入札参加者が入札し、落札者(契約相手)を決定します。 |
随意契約とは | 官公庁が契約相手を直接選び、契約します。 透明性・公平性が低いため、法律などで事前に決められた場合のみ随意契約が行われます。 |
福岡県の一般競争入札のながれは次のとおりです。
①入札参加資格の審査 | 入札参加者として基準を満たしているかについて事前に審査します。 入札参加資格を取得すると、福岡県庁が作った名簿に記載されます。 (福岡県財務規則第 143条) |
②入札の公告(公募) | どのような入札が行われるかについて広く公募します。 公告内容は次のとおりです。一 一般競争入札に付する事項 二 一般競争入札に参加する者に必要な資格に関する事項 三 契約条項を示す場所 四 入札及び開札の場所並びに日時 五 入札保証金に関する事項 六 無効入札に関する事項 七 その他必要と認める事項(福岡県財務規則 第149条) |
③入札 | 福岡県指定の様式で、入札を行います。 |
④落札者の決定 | 入札参加者の入札内容を審査し、落札者を決定します。 |
⑤落札者への通知 | 落札者に落札が決定したことを通知します。 この時に、契約締結のための連絡があります。(福岡県財務規則 第158条) |
⑥契約 | 福岡県と落札者との契約が行われます。 |
指名競争入札の場合は、広く公募する代わりに、入札参加しませんか?という連絡があります。
※詳しい入札の流れや、期日などは、入札ごとに確認する必要があります。
公表された入札案内の内容を熟読しましょう。
福岡県庁の入札参加資格をチェックしよう
入札に参加するには、入札に参加するために一定の基準を満たすことが必要です。
入札参加資格を得て初めて入札に参加することができます。
入札に参加するには、次の基準を満たなければいけません。
✔︎ 地方自治法施行令の基準を満たすこと
✔︎ 福岡県が独自に決めた基準を満たすこと |
地方自治法施行令の入札参加資格
入札参加資格については、地方自治法施行令167条の4と167条の5に規定があります。
次に該当する場合は、「原則、入札に参加させてはならない」という規定です。(地方自治法施行令167条の4)
①当該入札に係る契約を締結する能力のないもの | 法律上契約ができない相手が落札しても、その契約を実現できないため、あらかじめ入札に参加させないようにしています。 |
②破産手続開始の決定を受けて復権を得ないもの | 落札し契約を結んでも、契約内容を実現できないため、あらかじめ入札に参加させないようにしています。 |
③暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 (平成3年法律第77号)第32条第1 項各号に掲げる者 | 第32条第1項各号に掲げる者とは次のとおりです。
第32条 国及び地方公共団体は、次に掲げる者をその行う売買等の契約に係る入札に参加させないようにするための措置を講ずるものとする。 一 指定暴力団員 |
さらに、入札を妨害したなどの地方自治法施行令第167条の4第2項の場合は、知事が一定の期間を定めて一般競争入札に参加させないことができます。その者を代理人、支配人その他の使用人又は入札代理人として使用する者についても、該当します。
※どのぐらいの期間であるのか、またどの事例が該当するのかについては、入札担当者に相談することをおすすめします。
福岡県が独自に定めた入札参加資格
日本各地の地方公共団体に共通した地方自治体施行令の入札参加資格に加えて、福岡県が独自に定めた入札参加資格もあります。
福岡県が独自に定めた入札参加資格は、
「平成29年4月28日福岡県告示第339号 福岡県が発注する物品の製造の請負及び買入れ、不用品の売払いその他の契約の一般競 争入札及び指名競争入札に参加する者に必要な資格」に記載されています。
地方自治法施行令の規定に加えて競争入札に参加できない場合が記載されています。
健康保険や厚生年金保険、雇用保険、税金、営業許可などが適法になされていない場合などは競争入札に参加できない可能性があります。
※福岡県が独自に定めているルールですので、今後変更などもあり得ます。
必ず最新の規定を確認し、福岡県庁の担当者に相談することをおすすめします。
入札参加資格に有利な地域貢献活動評価制度とは?
地域貢献活動評価とは?
地域貢献活動評価とは、
✔︎ 福岡県が推進する施策に、積極的に貢献してくれること |
を評価する制度です。
入札参加資格の審査の際に加点対象になる項目があります。
※福岡県が推進する施策が変更になることにより、地域貢献活動評価項目も変更になる可能性もあります。
※最新版の情報を確認することをおすすめします。
令和2年度の建築工事の地域貢献活動評価項目は次のとおりです。
(出典 福岡県庁)
令和2年度の物品・サービスの地域貢献活動評価項目は次のとおりです。
(出典 福岡県庁)
福岡県庁の電子入札を使うには?
電子入札を使えば、インターネットを利用しながら入札に参加することができます。
福岡県庁の電子入札を利用する場合には、福岡県電子調達(電子入札)を利用します。
(出典 福岡県庁)
注意点は次のとおりです。
- 電子入札には利用時間の制限があります。
- 電子入札を行うためには、必要な機器があります。
ICカード(電子証明書)、ICカードリーダ/ライタ、専用ソフトなどが必要です。事前準備について、最新の情報を公式ホームページでご確認ください。
- 指定のOSがありますので、必ず確認してください。
- 事前に利用者登録が必要です。
操作マニュアルを確認し、利用者登録をおこなってください。
初めて電子入札を行う場合は、機材の準備や登録準備などに時間がかかってしまうことがあります。
時間に余裕を持って、事前準備を行うことをおすすめします。
※制度変更、システムの変更などもありますので、必ず最新版の情報をご確認ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
自治体ビジネスでは、過去の実績が重視されます。
入札に参加し、落札し、良い実績を残すことで、福岡県だけでなくその他の地方自治体や国の省庁などの契約に繋がる可能性が高まります。
入札に参加するには事前準備が必要です。
場合によっては、時間がかかってしまうこともあります。
是非とも早めの準備をおすすめします。