自治体の予算取りのスケジュールとは?予算編成プロセスについて解説
自治体ビジネスを展開する上で、自治体予算の仕組みを理解することはとても重要です。自治体にとって、予算とはどのような意味があるのでしょうか?実は「予算づくり」と「その予算を使うこと」こそ、自治体の仕事なのです。
自治体予算の仕組みは民間企業と異なり、わかりにくいところがあります。しかし、その仕組みを理解すると、自治体ビジネスをスムーズに展開することができます。
ここでは自治体の予算について、わかりやすく解説します。
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目次
自治体の予算とは
自治体予算とは、その自治体における一定期間の収入と支出を見積もることです。
自治体の収入(歳入)には、地域の人々や企業から預かった税金や国などから交付されるお金、施設の使用料などがあり、支出(歳出)には、福祉、教育、土木など様々な行政サービスの提供に必要な経費があります。
自治体では、会計年度ごとに、これらの予定する全ての内容をあらかじめ予算として決めておくことが求められます。
自治体予算の基本原則
自治体予算は税金が元手であり、住民の意見に沿った使い方をしなければいけません。そのため、民主的であり適正であることが求められ、法令などによって以下の基本原則が定められています。
- 予算の事前議決の原則(地方自治法第211条第1項)
- 予算公開の原則(地方自治法第219条第2項、第243条の3)
- 総計予算主義の原則(地方自治法第210条)
- 単一予算主義の原則(地方自治法第209条)
- 予算統一の原則(地方自治法第216条)
- 会計年度独立の原則(地方自治法第208条第2項)
- 予算単年度主義の原則(地方自治法第211条)
予算の事前議決の原則
自治体予算は、年度が始まる前に議会の議決を経なければ執行することができません。お金を使う前に、あらかじめ使い道を住民に説明し了解を得ることが求められます。
予算公開の原則
議会の議決を経た自治体予算は、ただちに住民に公表しなければいけません。お金の使い道を広く一般に周知することが求められます。
総計予算主義の原則
自治体予算は、その年度における全ての収入と支出の予定額を計上しなければいけません。1年間に必要な額をすべて見積もることが求められます。
単一予算主義の原則
自治体予算は、住民に分かりやすく説明するためにも、単一の予算とすることとされています。そのため、一般会計に重点を置いて編成されますが、予算を別に区分する必要がある場合は、例外として特別会計が設けられます。
予算統一の原則
自治体予算は、誰にでも分かりやすいものにするため、収入と支出の分類を統一的・系統的に調整し、一定の秩序を持たせなければいけません。施行令で定める様式を基準とした予算の区分が行われます。
会計年度独立の原則
自治体予算は、その年度における支出はその年度における収入によって賄わなければいけません。ただし、例外として、前年度の余剰財源の繰り越しや翌年度の歳入の繰上充用が認められています。
予算単年度主義の原則
自治体予算は年度ごとに作成し、その年度内に執行しなければいけません。議決により定められた支出の権限はその年度限りとなります。
自治体予算の目的

| 民間企業 | 事業に必要なコストを見積もり、経営資源となる利益を最大化させるため |
| 自治体 | 預かったお金の使い道を検討し、税の配分による効果を最大化させるため |
自治体予算の目的は、住民から預かったお金の使い道を検討し、地域課題の解決や住民の福祉における効果を最大にすることです。
一方、民間企業における予算の目的は、当期純利益を最大にすることです。必要なコストを見極めるために予算を策定します。
一方自治体は、預かったお金を管理し、地域課題の解決や住民の福祉などに役立つ使い道を考え、実行するための事務局的な組織です。
民間企業では利益の増大を図るのに対して、自治体では収支の均衡を図るという点にも大きな違いがあります。
自治体予算の説明相手
民間企業でも自治体でも、収支の状況をはっきりさせて説明する義務があります。しかし、民間企業と自治体では説明する相手と重視する内容に違いがあります。
| 説明する相手 | 重視する説明内容 | |
| 民間企業 | 株主 | 決算 |
| 自治体 | 住民(議会) | 予算 |
民間企業は株主に対する説明責任がありますが、自治体は住民に対する説明責任があります。また、民間企業では決算報告を重視しますが、自治体では事前の予算説明を重視します。
自治体では、たとえどんなにメリットがあったとしても、予算に載っていない事業を行うことはできません。
また、一度決定した予算は、全額きちんと使い切ることが重視されます。
また、一度決定した予算は、全額きちんと使い切ることが重視されます。
自治体予算の種類
自治体予算には、策定のタイミングによって以下3つの予算があります。
- 当初予算
- 補正予算
- 暫定予算
それぞれについて、詳しく解説します。
当初予算
「当初予算」とは、年度ごとに1年間の収入と支出をまとめた予算で、基本的にはこの予算をもとに各事業が実施されます。当初予算が編成されるのは年度開始前の1回限りで、3月の議会に提出され、議決を経て決定されます。
補正予算
「補正予算」は、災害発生など様々な理由で、年度の途中に必要となる予定外の支出に対応するための予算です。
補正予算は必要に応じて何度でも編成することができ、3月、6月、9月、12月に開催されるいずれかの議会に提出され、議決を経て決定されます。
もう1つ、自治体予算には、当初予算が年度開始までに成立する見込みのない場合などに編成される「暫定予算」があります。
暫定予算
「暫定予算」は、当初予算が年度開始までに成立しない場合に、年間の予算が成立するまでの「つなぎ予算」として編成される予算です。
暫定予算では、市民生活に不可欠な経費や自治体職員の給与等が計上されます。
自治体の予算取りのスケジュール

地域住民への説明が求められる自治体予算においては、金額も大事ですが、お金を使うための理由が特に重要になります。
お金の使い道としてどのような内容がふさわしいか、前年の1年間で、時間をかけて自治体内部の調整と意思決定が進められます。
具体的にどのようなスケジュールで進められるのか、自治体の予算編成プロセスを紹介します。
①財政部門が予算の見通しを立てる
最初に動くのは自治体の財政部門です。
税などの次年度の収入(歳入)の見通しを立てて資料として取りまとめ、首長に報告します。
②首長が予算編成方針を共有する【9~10月】
次に、財政規模の報告を受けた首長が、予算編成方針を打ち出し各部署に共有します。
予算編成方針は、地域の状況を考慮した上で、限られたお金の使い道としてどのような分野を優先するか、その理由とともに予算配分を示すものです。
③事業部門が事業を検討する【5~8月】
首長の予算編成方針が共有されたら、各部署は次年度に行う事業や購入するものを検討します。
実際には、5月頃から情報収集が始まり、8月のお盆前頃まで続きます。
④事業部門が予算要求資料を提出する【9~10月】
集めた情報を踏まえて、各部署で次年度に行う事業を取りまとめます。
仕様書や見積書などの予算要求資料を作成し、財政部門に提出します。
⑤財政部門が予算を査定する【10~12月】
各部署から予算要求資料の提出を受けた財政部門は、見通しの範囲内に予算を収めるための査定を行います。
査定では、要求された予算が本当に必要なものであるか、各部署の担当者へのヒアリングが行われます。
⑥首長が予算案を決定する【12~1月】
最終調整として首長が全体の予算を査定し、予算案が決定します。
このタイミングで、一度財政部門による査定でカットされた予算が首長の判断により復活することもあります。
⑦議会で予算案を議決する【2~3月】
こうして時間をかけて作成された予算案は、3月の議会に提出され、議決を経て決定となります。
時期の目安は自治体によって異なりますが、このように自治体予算は仕事を発注する1年前から検討が始まり、様々な調整を受けながら決められます。
民間企業と自治体の予算に対する考え方の違い
自治体予算では、その目的や説明相手が民間企業とは異なります。
自治体予算の流れを理解して自治体営業を実施
自治体ビジネスを展開する民間企業にとっては、自治体予算の流れに沿ったタイミングで自治体にアプローチをすることが案件獲得のポイントとなります。
民間企業がいくら自社の製品やサービスをアピールしても、自治体が次年度事業の検討を行っているタイミングを外してしまうと、予算化することは難しくなるでしょう。
この記事では、自治体予算の仕組みや流れを紹介しました。
自治体予算の仕組みや流れを理解して、効果的な自治体営業に活かしてください。
効果的な自治体営業のコツについては、こちらの解説もご一読ください。
地方自治体へ営業!知っておきたい基礎知識と自治体営業のコツを解説!|自治体ビジネスドットコム
営業活動が実って予算化されても、自社に仕事が発注されるかどうかは別問題なのが自治体ビジネスです。
公平性が求められる自治体では、入札やプロポーザルを経て発注先が決められるため、予算化された事業が自社に発注されるとは限りません。
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