プロポーザル

公募型プロポーザルの特徴を徹底解説!他の発注形態との違いとは?

私たちが住みやすく働きやすい地域社会をつくるためのさまざまな業務が、全国の地方自治体から民間企業・個人事業者・NPO団体などに発注されています。

民間企業への業務委託は、市民のニーズが多様で複雑になったことや地域の産業振興を進める必要性が高まったことなどを背景に、ますます活性化しています。

このような昨今の情勢は、自治体との仕事を積極的に取りに行きたい企業にとっては追い風といえるでしょう。

中でも、広く募集がかかり要件を満たせば誰でも参加でき、企画内容で勝負できる公募型プロポーザル方式が増えています。

今回の記事では、公募型プロポーザルの概要とコツについて解説します。

前半は、公募型プロポーザルに限らず、自治体との仕事を受注するために最低限知っておくべき発注方式について、後半は、公募型プロポーザルの流れやポイントについて紹介します。

プロポーザルに取り組む上で、
以下のようなお悩みはありませんか。

・プロポーザルに挑戦してもなかなか勝てない。
・プロポーザルの企画提案書の作成に時間がかかって徹夜になってしまう。
・優れた提案内容なのにいつも敗退してしまい、理由もわからない。
・最近プロポーザルの勝率が下がってきた。
・今まで随意契約で受注していたのに、自治体から突然プロポーザルに切り替えると言われた。

上記のようなお悩みごとがございましたら、LG ブレイクスルーが解決いたします。
弊社は地方自治体との持続可能なパートナーシップ構築を目指す企業様向けに、あらゆるソリューションを提供するコンサルティングファームです。
些細なお困りごとでも、まずはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

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公募型プロポーザルとは?

公募型プロポーザルとは、事業者の参加を公示により広く募集し、技術提案書や企画提案書などの審査により契約締結交渉者を選定する方式です。

プロポーザル方式には「公募型」と「指名型」がありますが、多くの自治体では公平性が高い「公募型プロポーザル」が主に選ばれています。

価格だけでなく、企画内容や提案内容、提案者への信頼性なども含めて事業者を選ぶ点が通常の入札と大きく異なるポイント。

クリエイティブさが求められる業務や、専門的な技術や知識が求められる業務でプロポーザル方式が選択される傾向があり、価格勝負にならず利益が出やすいのが事業者にとっての大きなメリットです。

自治体の発注形態

自治体の発注形態には複数のパターンがあります。

最もよく知られている自治体の発注形態が「入札」(一般競争入札)です。
公示により参加者を広く募集した上で最低価格を示した事業者を選ぶ、非常にわかりやすい方法です。

ところが、自治体の発注形態は入札だけではありません。

そもそも、発注先の事業者を選ぶプロセスには2段階あります。

まずは発注する業務にエントリーする事業者を選ぶ第1段階。
次にエントリーした事業者の中から最終的に発注先となる1者を決める第2段階です。

この2つの段階それぞれに複数の方式があり、発注形態はこれらの組み合わせで決まります。

業務にエントリーする事業者の選び方

第1段階の「業務にエントリーする事業者の選び方」については、2つの方式があります。

<公募型・一般競争型>

公募型・一般競争型とは、自治体の公式ウェブサイトなどで入札やプロポーザルへの参加者を広く募集する方法です。

<指名型・指名競争型>

指名型・指名競争型とは、自治体が参加資格者名簿や出入りしている事業者から任意あるいは無作為に選ぶ方法です。

当然、どこの事業者も指名されたいと考えていますが、事業者側からアプローチするのは難しく、基本的には自治体の動きを待つことしかできません。

ただ、自治体の担当部署の職員と信頼関係を築けていると、指名先として声が掛かる可能性もあります。
日頃から、いかにビジネスパートナーとして製品やサービスについて理解してもらっているかが重要です。

なお、指名は非公開で行われます。
原則、どんな事業者が何にエントリーしたかなどは教えてもらえません。

これは、もしエントリーした事業者がお互いを知れば、「談合」に発展してしまうリスクが発生するためです。

信頼関係を構築するための自治体営業のコツについては、こちらの解説もご一読ください。

地方自治体へ営業!知っておきたい基礎知識と自治体営業のコツを解説!|自治体ビジネスドットコム

エントリーした事業者から発注先を決める方法

公募型や指名型でエントリーした事業者で競い、最も優れた1者を発注先として決めるのが第2段階です。

自治体が発注先を決める方法には、3つの方式があります。

<最低価格落札方式(入札)>

最低価格落札方式」は、いわゆる「入札」と呼ばれる方式です。
一定の基準を満たした事業者の中から、最も安い金額を提示した事業者を選びます。

エントリーした事業者は、案件の業務内容を細かく示した「仕様書」を確認した上で、仕事内容をいくらくらいの金額で引き受けられるのかを計算し、算出した金額を指定の日時までに自治体に提出します。

自治体は、一番低い価格を示した事業者を発注先として決めます。
工事や物品の発注など、ある程度規格が決まっている業務で主に選ばれる方式です。

<プロポーザル方式>

プロポーザル方式」は、エントリーした事業者が仕様書に示された業務に対して企画提案書を提出し、その企画内容で競う方式です。

企画提案書には、その業務をどのような考え方や方法で行うのかを盛り込みます。
事業者の業務体制も含め、最も評価された1者が受注できます。

プロポーザル方式の中にも、企画提案書のみで評価する場合と、企画提案書とプレゼンテーションと合わせて評価する場合の2通りの評価方法があります。

<総合評価落札方式>

総合評価落札方式」は、企画と価格のそれぞれ評価基準に沿って採点し、優れた企画を適正価格で実施できる事業者に決定する方法です。

総合評価点=価格点+技術点(提案内容やプレゼンから算出)で、総合評価点の一番高い点数を得た企業が落札者となります。

価格点と技術点の割合は案件ごとに決定し公開されます。

総合評価落札方式では、企画提案が優れているだけでも、価格が安いだけでも評価されず、企画と価格のバランスが取れ、コストパフォーマンスが高い事業者が選ばれます。

最低価格落札方式」と「プロポーザル方式」が合わさった方式といえるでしょう。

総合評価落札方式にチャレンジするメリットは?|自治体ビジネスドットコム

例外的な発注形態「単独随意契約」

「業務にエントリーする事業者の選び方」と「エントリーした事業者から発注先を決める方法」を組み合わせると、6パターンあるとわかります。

なお、この6パターンの他に1パターンだけ例外的な発注形態があります。
それが「単独随意契約」と呼ばれる発注形態です。

これは、その業務において、特殊な技術や特許、ノウハウなどが必要で、それを満たす事業者が1者しかないような場合に取られる形態です。

自治体側は、なぜ「単独随意契約」に至ったのかを、地域住民へ説明できなくてはいけません。
他社と競うプロセスがない分、随意契約を狙う場合は、選ばれるための客観的かつ妥当な理由を関係部署に認めてもらう必要があります。

最近では、地域の厳しい目もあり、単独随意契約は行われにくくなってきています。
そのため、表向きは競争入札にして、仕様書などで特殊な技術やノウハウの縛りをかけ、「入札に応じたのが1者だったため、そこに決まりました」というケースもあります。

それぞれの発注方式については、こちらの解説もご一読ください。

一般競争入札とは?わかりやすく徹底解説|自治体ビジネスドットコム

プロポーザル方式と入札の違いは?違いや特徴について解説|自治体ビジネスドットコム

自治体営業における究極のゴール「随意契約」とは?|自治体ビジネスドットコム

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公募型プロポーザルの発注情報を入手しよう

自治体からの様々な発注形態を理解したところで、その発注情報をどこで入手するのかについて見ていきましょう。

自治体ホームページから入手

公募型の場合、多くは自治体のホームページに案内が掲載されます。
掲載場所は自治体により異なりますが、「入札・契約」関連のページで随時公開されるケースが多いです。

ホームページから情報を入手する場合は、各自治体の該当ページをこまめにチェックしましょう。

無料の検索サービスで入手

こまめにホームページをチェックするのが負担に感じる方は、無料の検索サービスを併用するのがおすすめです。

例えば、Googleが提供している「Googleアラート」を活用し、「公募」「プロポーザル」「募集」などのキーワードを登録しておくと良いでしょう。

自治体がホームページで出した公募型プロポーザルの情報が自動的に抽出され、お目当ての自治体がある場合は、自治体の名前を登録しておくとさらに絞り込むことができます。
ただ、すべての情報をもれなく入手できるわけではないため、補足的に活用しましょう。

有料の検索サービスで入手

情報の取得に時間や労力を割けない場合は、有料検索サービスを活用するのもひとつの手です。
継続的に費用がかかりますが、職員の時間や手間を大幅にカットできるため、うまく使えば高い費用対効果が見込めます。

有料サービスには、情報を入手したい自治体の数に応じて金額が決まる仕組みとしているところが多いです。
費用対効果を高めるためには、ターゲットとする自治体を決めて登録すると良いでしょう。

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公募型プロポーザルの発注業務

公募型プロポーザルは主に以下のような業務で使われます。

  • 建設コンサルタント業務
  • システムコンサルタント業務
  • アドバイザリー業務
  • 研修業務
  • 資料作成業務
  • プロモーション、ブランディング業務

発注先の選定にあたり、実績、専門性、技術力、企画力、創造性など、価格以外の要素を含めて総合的に判断する必要がある業務です。

公募型プロポーザルは、地方の課題をダイレクトに示している案件が多いため、「何がこの地方の問題なのか」を意識しながら取り組みましょう。

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公募型プロポーザル方式の流れとポイント

公募型プロポーザルの流れとポイントを見ていきましょう。

①公告

公募型プロポーザルでは、最初にホームページ等で案件の情報が出ます。
こうした情報を「公告」と呼びます。

エントリーや企画提案書の作成に使う資料がアップされるため、まずは参加要件を確認します。

参加要件を満たしている場合は、エントリーできる案件かどうかの判断をしましょう。

ここでは「勝つ見込みがある案件かどうか」「戦略的な面から受注する価値があるかどうか」を基準に判断することがポイントです。

②説明会

説明会とは、自治体が発注する仕事の背景や目的、仕様書の内容について直接説明をする場です。

業務内容や予算規模によっては開催されない場合もあります。

一方、説明会への出席がエントリーの条件になっている場合もあるので注意が必要です。

説明会では、「業務内容」に加えて「ライバル会社の情報」と「自治体のニーズ」の情報を得るように意識しましょう。

③参加申請

説明会で得た情報をもとに、エントリーするべきかの判断をし、参加申請を行います。

プロポーザル案件は勝たなければ意味がありません。
自社に実績がなかったり、実力のある競合が多く参加する見通しがあったりする場合は、「エントリーしない」という判断も大切です。

④質問受付・回答

プロポーザル方式では、仕様書などだけでは分からない内容や、特に確認したい事柄について質問できます。

質問と回答は、エントリーした事業者すべてに開示されるケースが多く見られます。

自治体側は質問の数などで熱意を見ている場合もあるため、疑問点があれば必ず質問しましょう。
一方で、不用意に質問すると、こちらの手の内を競合に知られてしまう可能性もあるので、当たり障りのない質問を用意することも大切です。

⑤企画提案書等提出書類の作成

企画提案書の書き方は「プロポーザル実施要領」などの関連資料に細かいルールが記載されています。

実施要領に従って、求められている事項は必ず書くようにしてください。
ルールを守らないと提案書は無効になってしまいます。

⑥企画提案書の提出

企画提案書などの準備が出来たら、最終確認です。
指定された書類の種類や、提出部数が揃っているかを確認し、指定された方法で提出をします。

郵便なのか持参なのか、提出方法もきちんと確認して提出しましょう。プレゼンテーションがある場合は、プレゼンテーションの準備に入りましょう。

⑦プレゼンテーション

まずはプレゼンテーションの条件の確認です。

日時や参加人数上限、使ってよい資料やプロジェクター使用の有無、プレゼン時間などがあらかじめ決められているため、それらに沿って準備します。

当日は、時間内にプレゼンが終わるように事前にしっかりと組み立てましょう。
終了時間が来たら強制終了もありえます。

⑧結果通知

結果通知は原則書面で届きますが、勝った場合は電話やメールが入ることもあります。

結果が出たら、勝敗はどうであれ「勝因・敗因分析」をするように心がけましょう。

「自社の対応」「ライバル会社の動き」「自治体の都合」の3つの切り口で内容をよく調べ分析してください。ここでの振り返りが、次のプロポーザルに繋がります。

 

プロポーザル案件に臨む際は、社員一人ではなく、複数の社員で取り組むのが鉄則です。公募型プロポーザルは、価格だけでなく、企画提案書やプレゼンテーションが評価において大きな割合を占めます。情報収集や準備にも時間がかかるため、一人で抱え込んでしまうと、充分な準備をして臨めません

戦い方のポイントを押さえ、組織として取り組みましょう。プロポーザルで勝つための戦い方については、こちらの解説もご一読ください。

自治体から評価されるプロポーザルの戦い方【10のステップ】|自治体ビジネスドットコム

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公募型プロポーザルは多くの企業にチャンスがある

公募型プロポーザルの流れやポイントについて紹介しました。

自治体は積極的に民間企業と力を合わせて、効果的に地域の課題解決に取り組みたいと考えており、公募型プロポーザルは今後増えてくると予想されます。

多くの企業にチャンスがあるのが公募型プロポーザルです。

一方で、公募型プロポーザルでは、評価の仕組みを理解し、勝つためのポイントを押さえて組織として戦うことが重要となります。

プロポーザルで勝つために、LGブレイクスルーでは自治体ビジネスを熟知したコンサルタントによる、現場目線でのきめ細かい伴走型支援をご提供しています。

ご支援の特徴は、個人の狭い経験から根拠のない指導をするのではなく、自治体ビジネスのメカニズムに沿った再現性の高いノウハウをもってサポートしていること。

自治体ビジネスへ参入するそれぞれの企業様ごとの課題やお悩みに耳を傾け寄り添いながら、事業獲得をサポートし、自治体ビジネスの事業成長に貢献しています。

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