プロポーザル

公募型プロポーザルの特徴を徹底解説!他の発注形態との違いとは?

私たちが住みやすく働きやすい地域社会をつくるためのさまざまな業務が、国や全国の地方自治体から民間企業・個人事業者・NPO団体などに発注されています。

民間企業への幅広い業務委託は、ひと昔前では考えられませんでした。

しかし、社会情勢が変わり、市民のニーズが多様で複雑になったことや、地域の産業振興を進める必要性が高まったことなどを背景に、ますます活性化してきています。

民間企業への業務委託が進む昨今の情勢は、自治体との仕事を積極的に取りに行きたい企業にとっては追い風といえるでしょう。

特に、広く募集をかけ要件を満たせば誰でも参加でき、企画内容で勝負できる公募型プロポーザル方式が増えてきてい

今回の記事では、公募型プロポーザルの概要とコツについて解説します。

前半は、公募型プロポーザルに限らず、自治体との仕事を受注するために最低限知っておくべき自治体の仕事の決め方や実際の発注事例について、後半は、公募型プロポーザルの流れやそれぞれのステップで押さえるべきポイントについて紹介します。

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公募型プロポーザルとは?

自治体の発注形態6パターン

公募型プロポーザルとは、業者の参加を公示により広く募集し、技術提案書や企画提案書などにより契約締結交渉者を選定する方式です。

プロポーザル方式には「公募型」と「指名型」がありますが、多くの自治体では公平性が高い「公募型プロポーザル」が主に選ばれています。

価格だけでなく、企画内容や提案内容、会社への信頼性なども含めて業者を選ぶ点が通常の入札と大きく異なるポイント。

クリエイティブさが求められる業務や、専門的な技術や知識が求められる業務にプロポーザル方式が選択される傾向があり、自治体側も質の高い業者を求めていて、利益が出やすいのが大きなメリットです。

自治体の発注形態6パターン

自治体の発注形態には、大きく分けて6パターンあります。

  • 公募型・一般競争型
  • 指名型・指名競争型
  • 最低価格落札方式(入札)
  • プロポーザル方式
  • 総合評価落札方式
  • 単独随意契約

最もよく知られている自治体の発注形態が「入札」です。
入札は、最低価格を示した会社を選ぶ、非常にわかりやすい方法です。

ところが、自治体の発注形態は入札だけではありません。

そもそも、発注先の会社を選ぶプロセスには2段階あります。

まずは発注する業務にエントリーする会社を選ぶ第1段階。
次にエントリーした会社の中から最終的に発注先となる1社を決める第2段階です。

この2つの段階ごとに異なるパターンが設けられていて、発注形態はこれらの組み合わせで決まります。

業務にエントリーする会社の選び方

第1段階の「業務エントリーする会社の選び方」については、2つのパターンがあります。

<公募型・一般競争型>

公募型・一般競争型とは、自治体の公式ウェブサイトなどで入札やプロポーザルへの参加者を広く募集する方法です。

<指名型・指名競争型>

指名型・指名競争型とは、自治体が参加資格者名簿や出入りしている業者から任意あるいは無作為に選ぶ方法です。

当然、どこの企業も指名されたいと考えていますが、企業側からアプローチするのは難しく、基本的には自治体の動きを待つことしかできません。

ただ、自治体の担当部署の職員と信頼関係を築けていると、こっそりと声が掛かるケースもあります。
日頃から、いかにビジネスパートナーとして製品やサービスについて理解してもらっているかが重要です。

なお、指名は非公開で行われます。
原則、どんな会社が何社エントリーしたかなどは教えてもらえません。

これは、もしエントリーした会社がお互いを知れば、「談合」に発展してしまうリスクが発生するためです。

エントリーした会社から発注先を決める方法

公募型や指名型でエントリーした会社で競い、最も優れた1社を発注先として決めるのが第2段階です。

自治体が発注先を決める方法には、3つのパターンがあります。

<最低価格落札方式(入札)>

最低価格落札方式」は、いわゆる「入札」と呼ばれる方式です。
一定の基準を満たした業者の中から、最も安い金額を提示した業者を選びます。

エントリーした会社は、案件の業務内容を細かく示した「仕様書」を確認し、仕事内容をいくらくらいの金額で引き受けられるのかを計算し、算出した金額を指定の日時までに自治体に提出します。

自治体は、一番低い価格を示した会社を発注先として決めます。
工事や物品の発注など、ある程度規格が決まっている業務で主に選ばれる方式です。

<プロポーザル方式>

プロポーザル方式」は、エントリーした会社が仕様書に示された業務に対して企画提案書を提出し、その企画内容で競う方式です。

企画提案書には、その業務をどのような考え方や方法で行うのかを盛り込みます。
会社の業務体制も含め、最も評価された1社が受注できます。

プロポーザル方式の中にも、企画提案書のみで評価する場合と、企画提案書とプレゼンテーションと合わせて評価する場合の2通りあります。

<総合評価落札方式>

総合評価落札方式」は、企画と価格のそれぞれ評価基準に沿って採点し、優れた企画を適正価格で実施できる会社に決定する方法です。

会社を選ぶ手順は以下の2段階で行われます。

  1. エントリーした会社を企画提案書やプレゼンテーションで評価し、数社に絞り込む
  2. 残った会社からその企画にかかる金額を提出させ、価格と提案の評価を総合し1社に決定する

一般的には、企画点2に対し価格点1の割合で評価されます。

総合評価落札方式では、企画提案が優れているだけでも、価格が安いだけでも評価されず、企画と価格のバランスが取れ、コストパフォーマンスが高い企業が選ばれます。

最低価格落札方式」と「プロポーザル方式」が合わさった方式といえるでしょう。

例外的な発注形態「単独随意契約」

「業務にエントリーする会社の選び方」と「エントリーした会社から発注先を決める方法」を組み合わせると、6パターンあるとわかります。

なお、この6パターンの他に1パターンだけ例外的な発注形態があります。
それが「単独随意契約」と呼ばれる発注形態です。

これは、その業務において、特殊な技術や特許、ノウハウなどが必要で、それを満たす会社が1社しかないような場合に取られる形態です。

自治体側は、なぜ「単独随意契約」に至ったのかを、地域住民へ説明できなくてはいけません。
他社と競うプロセスがない分、随意契約を狙う場合は、選ばれるための客観的かつ妥当な理由を関係部署に認めてもらう必要があります。

最近では、地域の厳しい目もあり、単独随意契約は行われにくくなってきています。
そのため、表向きは競争入札にして、仕様書などで特殊な技術やノウハウの縛りをかけ、「入札に応じたのが1社だったため、そこに決まりました」というケースもあります。

それぞれの方式については、詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

「最低制限価格制度とは何か?目的から具体例まで徹底解説」

「総合評価落札方式にチャレンジするメリットは?」

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公募型プロポーザルの発注情報を入手しよう

2.公募型プロポーザルの発注情報を入手しよう

自治体からの様々な発注形態を理解したところで、その発注情報をどこで入手するのかについてみていきましょう。

自治体ホームページなどから入手

公募型の場合、多くは自治体のホームページに案内が掲載されます。
公募型プロポーザルの場合、トップページに直接案内がアップする自治体もありますが、多くは「入札・契約」関連のページで随時公開されます。

例えば、横浜市の場合は、「ヨコハマ・入札のトビラ」というページに一般競争入札から公募型プロポーザルまで、入札・契約関連情報に掲載。
入札関連規程や、発注情報、入札・契約結果まで閲覧できるようになっています。

ホームページから情報を入手する場合は、該当ページをまめにチェックしましょう。

無料の検索サービスで入手

こまめにホームページをチェックするのが負担に感じる方は、無料の検索サービスを併用するのがおすすめです。

無料の検索サービスの中でも使い勝手が良いのが「Googleアラート」。

Googleアラートは、Googleが提供している機能の一つ。
特定のキーワードを登録すると、そのキーワードが含まれる情報がウェブ上に流れた際に、自動的に通知してくれます。

例えば、「公募」「プロポーザル」「募集」など、複数のキーワードを登録しておくと自治体がホームページで出した公募型プロポーザルの情報が自動的に抽出されます。

お目当ての自治体がある場合は、自治体の名前を登録しておくとさらに絞り込むことができます。
ただ、すべての情報をもれなく入手できるわけではないため、補足的に活用しましょう。

有料の検索サービスで入手

中小企業などで、時間も労力も割けない場合は、有料検索サービスを活用するのもひとつの手です。
継続的に費用がかかりますが、職員の時間や手間を大幅にカットできるため、うまく使えば高い費用対効果が見込めます。

有料サービスには、情報を入手したい自治体の数に応じて金額が決まる仕組みとしているところが多いです。
費用対効果を高めるためにも、ターゲットとする自治体を決めて登録するようにしましょう。

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公募型プロポーザルの発注事例3つ

公募型プロポーザルの概要をつかむために、具体的な発注事例を確認してみましょう。

公募型プロポーザルは主に以下のような業務で使われます。

  • 建設コンサルタント業務
  • システムコンサルタント業務
  • アドバイザリー業務
  • 研修業務
  • 資料作成業務
  • プロモーション、ブランディング業務

地方創生がうたわれる昨今では、プロモーションブランディングの案件が非常に増えています。

他にも、観光立国を推進したい国の方針と相まって、観光に関連した業務や広告に関連した業務が多く発注されています。

公募型プロポーザルの案件は、地方の課題をダイレクトに示している案件が多いため、「何がこの地方の問題なのか」を意識しながらチェックしてみましょう。

事例①:日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」のブランド力強化事業(長野県)

長野県では、日本遺産に認定された「星降る中部高地の縄文世界」のPR体制、ブランド力強化をはかるため、イベント等の実施事業者を公募型プロポーザルで選ぶと公示しました。

業務内容は以下の通り。

若者など、発信力が期待される層をターゲットに、縄文に関心を持ってもらえるような土偶、土器、黒曜石等(以下、「土偶等」という。)の見せ方等を検討し、各博物館等の特徴を活かした提案を行う。提案内容は、来年度事業としてイベント・キャンペーン等(以下、「イベント」という。)を実施することにより、SNS等で縄文について拡散したくなるような仕組みをつくる。

引用元:日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」のブランド力強化事業公募型プロポーザル方式実施公告

審査は企画提案書とプレゼンテーションにより行われます。

企画提案書の審査基準は公告内に掲載されていますが、プレゼンテーションの審査基準は明らかにされていないため、参加を希望する際は確認しておいた方がよいでしょう。

事前に審査基準を確認しておくと、ズレることなく企画提案が行えます。

【参照】長野県「日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」のブランド力強化事業の受託者を募集します」

事例②:仙台市就職氷河期世代就職支援事業(仙台市)

仙台市は、就職氷河期世代の就職を支援するため、イベント実施やWebサイト制作などの実施事業者を公募型プロポーザルで選びました。

業務内容は以下の通り。

(1)スキルアップ研修等(参加者募集説明会含む)
(2)マッチングイベント等の開催(参加企業の開拓を含む)
(3)WEB 特設サイト構築等
(4)その他関連業務

引用元:「仙台市就職氷河期世代就職支援事業」業務委託先募集要領

本案件の審査は、原則として企画提案書と企画提案書に基づくヒアリングによって行われます。

応募者多数の場合は書類審査ののち、プレゼンテーションを行うようですが、追加資料の配布は認められていません。
また、審査基準を見ると、100点満点中60点が企画提案書に関係する部分となっています。

これらの情報から、本案件においては企画提案書が合否を大きく左右すると考えられます。

ただ、案件によっては「事業実施体制」や「過去の実績」等の点数配置が高い場合もあります。
審査基準を確認する際は、どの部分の配点が高いのか注意して確認しましょう。

【参照】仙台市「仙台市就職氷河期世代就職支援事業」の受託候補者を募集します(受託候補者を決定しました)

事例③:令和2年度山形県立米沢養護学校分校(仮称)校舎等新築工事設計業務委託(山形県)

山形県は、米沢養護学校の分校を作るにあたり、校舎の設計業務について、公募型プロポーザルで業務委託者を選びました。

設計やデザインといった分野も、公募型プロポーザルが使われやすい案件です。

本案件では企画提案書等の書類審査をおこなった後、提案書をもとにしたヒアリング審査の二段階で審査が行われます。
審査結果を読むと、ヒアリングにおいて業務への深い理解を感じられた点が高く評価されているとわかります。

業務内容への深い理解は、公募型プロポーザルの突破に欠かせません。

時間的な制約もありますが、公募型プロポーザルを始めとした自治体ビジネスへの参加を考えているのならば、地域の課題解決について情報を収集しておくとよいでしょう。

【参照】山形県「令和2年度山形県米沢養護学校分校(仮称)校舎等新築工事設計業務に係る公募型簡易プロポーザルの実施について

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公募型プロポーザル方式の9ステップ

3.公募型プロポーザル方式の9ステップ

プロポーザル案件にのぞむ際は、社員一人ではなく、複数の社員で取り組むのが鉄則です。

プロポーザルや総合評価落札方式は、価格だけでなく、企画提案書やプレゼンテーションが評価において大きな割合を占めます。
情報収集や準備にも時間がかかるため、一人で抱え込んでしまうと、充分な準備をして臨めません

プロポーザルにおける各ステップのポイントをみていきましょう。

ステップ①:公告

公募型プロポーザルでは、ホームページ等で案件の情報が出ます。
こうした情報を「公告」と呼びます。

エントリーや企画提案書の作成に使う資料がアップされるため、まずは参加要件を確認し、エントリーできる案件かどうかの判断をしましょう。

参加要件を満たしている場合は、「勝つ見込みがある案件かどうか」「戦略的な面から受注する価値があるかどうか」を基準にエントリーするか判断します。

ステップ②:説明会

説明会とは、自治体が発注する仕事の背景や目的、仕様書の内容について直接説明をする場です。

説明会は、仕事の分野や予算規模によっては開催されない場合もあります。

説明会への出席がエントリーの条件になっている場合もあるので注意が必要です。

説明会では、「仕事の内容」に加えて「ライバル会社の情報」と「自治体のニーズ」の情報を得るように意識しましょう。

ステップ③:参加申請

説明会で得た情報をもとに、エントリーするべきかの判断を行います。

プロポーザル案件は勝たなければ意味がありません。
自社に実績がなかったり、実力のある競合が多く参加する見通しがあったりする場合は、「エントリーしない」という判断も大切です。

ステップ④:質問受付・回答

プロポーザル方式や総合評価落札方式では、仕様書などだけでは分からない内容や、特に確認したい事柄について質問できます。

質問と回答は、エントリーした会社すべてに開示されるケースが多く見られます。

自治体側は質問の数などで熱意を見ている場合もあるため、疑問点があれば必ず質問しましょう。
一方で、不用意に質問すると、こちらの手の内を競合に知られてしまう可能性もあるので、当たり障りのない質問を用意することも大切です。

ステップ⑤:企画提案書等提出書類の作成

企画提案書の書き方は「プロポーザル実施要領」などの関連資料に細かいルールが記載されています。

実施要領に従って、求められている事項は必ず書くようにしてください。
ルールを守らないと提案書は無効になってしまいます。

ステップ⑥:企画提案書の提出

企画提案書などの準備が出来たら、最終確認です。
指定された書類の種類や、提出部数が揃っているかを確認し、指定された方法で提出をします。

郵便なのか持参なのか、提出方法もきちんと確認して提出しましょう。

ステップ⑦:結果通知

結果通知は原則書面で届きますが、勝った場合は電話やメールが入ることもあります。

プレゼンテーションがある場合は、プレゼンテーションの準備に入りましょう。

ステップ⑧:プレゼンテーション

まずはプレゼンテーションの条件の確認です。

日時や参加人数上限、使ってよい資料やプロジェクター使用の有無、プレゼン時間などがあらかじめ決められているため、それに沿って準備します。

当日は、時間内にプレゼンが終わるように事前にしっかりと組み立てましょう。
終了時間が来たら強制終了もありえます。

ステップ⑨:勝因・敗因分析

結果がでたら、勝敗はどうであれ「勝因・敗因分析」をするように心がけましょう。

「自社の対応」「ライバル会社の動き」「自治体の都合」の3つの切り口で内容をよく調べ分析してください。
ここでの振り返りが、次のプロポーザルに繋がります。

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公募型プロポーザルは多くの企業にチャンスがある

自治体の仕事の発注形態について、またその中でも公募型プロポーザルについて紹介しました。

自治体は民間企業と積極的に効果的に力を合わせながら、地域の課題解決に取り組みたいと考えています。

多くの企業にチャンスがあるのが公募型プロポーザルです。

公募型プロポーザル案件も今後ますます増えてくると予想されるため、これから自治体と仕事をしていきたいという企業は、ぜひ基本的なアプローチの仕方を学びチャレンジしてみてください

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