地方自治体へ営業!知っておきたい基礎知識と自治体営業のコツを解説!

地方自治体が発注する仕事を受注しながら、地域課題解決のパートナーとして事業を成長させる「自治体ビジネス」。
多種多様な領域でチャンスがあり、いま新たな事業領域として多くの企業から注目を集めています。
しかし、
- 地方自治体に営業に行きたいが、何から手をつければいいのだろうか?
- 地方自治体にアポ取りの電話をかけてみたら、あっさりと断られてしまった。
- どのようなアプローチが有効なのだろうか?
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
地方自治体への営業は、民間企業への営業方法と大きく異なります。
ここでは、地方自治体の特殊性や地方自治体への営業のコツなどを、わかりやすく解説します。
自治体ビジネスに取り組む上で、
以下のようなお悩みはありませんか。
・しばらく取り組んだけどなかなか成果が出ない。
・自治体職員に営業しても全く仕事が取れない。
・提案書や見積書を出しても話が進まず受注できない。
・入札やプロポーザルに取り組んでみたけど勝てない。
・民間営業の手法が通じない。
・利益が出ない。
上記のようなお悩みごとがございましたら、LG ブレイクスルーが解決いたします。
弊社は地方自治体との持続可能なパートナーシップ構築を目指す企業様向けに、あらゆるソリューションを提供するコンサルティングファームです。
些細なお困りごとでも、まずはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
目次
自治体に営業する前に ~自治体内部での承認を得るには~
最終判断をするのは、現在・未来の地域住民
地方自治体ビジネスの契約を最終的に判断する者は、地域住民全員です。
建築物やインフラなど長期間使用される公共物であれば、未来の地域住民も関係してきます。
地域住民の代表である議員や、地域住民の代わりに仕事をしている公務員が最終的に判断するのではありません。
したがって、自治体内部で承認されるには「現在・未来の地域住民のためになるのか?」という点が重要になります。
「現在、未来の地域住民のためになるのか」を見極めるために、自治体は下記の3点をチェックしています。
1.1国や地方自治体の方針に合致しているか
自治体の全ての事業は、各課の担当職員がやりたいことを勝手に決めているわけではありません。
地域住民や事業者から預かった税を使って進める事業は、必ず住民の代表とともに検討し中長期の方針を示した「行政計画」に沿ったものとする必要があります。
おおむね10年の長期の方針を示したものは「総合計画」、中期5年の方針を示したものは各課ごとの「個別計画」といい、これらを総称した「行政計画」の方針に合致しているかどうかについて自治体は常に注視しています。
1.2課題解決に中長期的に取り組む方向性が見られるか
役所は、地域から移転することはありません。民間企業であれば、よりビジネスがしやすい地域に本社や工場を移転するのはよくある話。ところが地方自治体は何があってもそこに留まり、地域住民や地域の未来と向き合う、逃げることが許されない組織です。
だからこそ、地域課題の解決にパートナーとして取り組む民間企業には、単なる商取引相手ではなく「中長期的に地域のことを考えているか」を求めるのです。
1.3補助金・交付金に全面的に依存していないか
自治体が民間企業に仕事を発注するとき、国交付金や県の補助金で予算を確保することも少なくありません。一方でこうした交付金や補助金は毎年度用意されるとは限りません。
単なる交付金や補助金を狙って自治体に営業する民間企業の多くは「地域に貢献したいです!」と受注活動を展開しますが、補助金が打ち切られた途端潮が引くようにさーっと姿を消してしまいます。
経済合理性から考えるとそうした民間企業の対応は妥当なのですが、現在から未来にわたって地域に価値提供しようとする企業であれば、きちんと経済合理性は担保しつつ上手に自治体とビジネスを展開するものです。
「金の切れ目は縁の切れ目」とならない自治体とのビジネス展開。この辺りも地方自治体から評価されるポイントです。
自治体営業ならではの4つの課題とは
自治体は民間企業と大きく異なる性質を持ちます。
そのため、自治体営業ならではの課題が存在します。
課題①民間ビジネスと営業プロセスが異なる
自治体の営業は、民間企業への営業と受注までのプロセスが全く違います。
そもそも民間企業からものを買ったり業務を委託するための予算は、前の年度の秋頃にはすでに決まっています。
「営業訪問して製品やサービスを気に入ってもらい、翌月に注文書をもらう」というようなことは自治体の場合あり得ないのです。
課題②人脈やコネに依存できない
人脈やコネで決裁権を持つキーパーソンを探して受注み結びつける。
民間営業では、受注確度が高いとして当たり前のように行われている営業手法です。
一方、自治体の場合はどうでしょうか。
都道府県知事や区市町村長は、4年に1回選挙があり、常に人が変わる可能性があります。
そして、そもそも地方自治体の町には「特定の民間企業へ業務の発注を決める権限はない」ことを知る必要があります。
また、自治体職員の多くもおおむね3年の短期ジョブローテーションで人事異動を繰り返す組織。
市長や知事の繋がりがきっかけで話が進むケースはありますが、非常に限定的・単発的で属人的な営業手法です。
企業として持続可能、かつ安定的にに自治体事業を伸ばしとしていこうとする場合、人脈やコネに依存することはアドバンテージではなくむしろリスクと捉えられるでしょう。
課題③加点評価ではなく減点評価
自治体営業で職員にプレゼンした地域課題解決の提案。自社製品・ソリューションの強みや実績を目一杯アピールしたとします。
その時は「いいですね」と言われても、なぜかその後話が進まない。
こんなご経験はありませんか。
自治体は、地域から預かった税で運営されている組織であるため、失敗する可能性がある事業や取り組みに税を投じるリスクを極端に嫌います。
営業をかけられた製品やサービスについては、
「本当に実現できるのか」
「導入後に問題は起こらないか」
など、彼らが想定するリスクがクリアにならないと、担当職員が上長に説明ができたいためそこで止まってしまいます。
どんなに優れた提案であっても「リスク」という点がクリアにならない限り、どんなに優れた製品やサービスであり、それをコミュニケーション力豊かにアピールしたとしても加点されず、それどころか「減点」されてしまいます。
課題④エリア営業が馴染まない
民間の営業体制でよく見られるのが「エリア営業」。
営業工数的に最も効率的に思えますが、自治体の場合は必ずしもそうとは言い切れません。
人口規模が違うと、使える予算の規模やできることも違ってくるのが地方自治体。つまり、20万人都市ではできることであっても、エリア内の3万人都市では実現不可能なことも。
同じエリアであっても、営業活動の成否にばらつきがあるのはそのためです。
自治体営業の課題を解決するためのポイント(営業のコツ)
自治体営業での課題は、裏返せば攻略のポイントにもなります。
民間企業との違いをふまえ、次の4つの自治体営業のコツを押さえて活動しましょう。
営業のコツ①:自治体のメカニズムとスケジュールに合わせる
地方自治体の仕事の元手となる予算は、前の年度の5月ごろからもう検討が始まります。
営業アプローチをかけるとしたら、自治体が次年度事業のヒントとなる情報を集めている5月のゴールデンウイーク明けごろから8月のお盆前くらいまでが適期。
この期間に自治体が求める情報を提供したり、課題のヒアリングをした上で提案するのが営業のコツ①です。
営業のコツ②:現場の部署との信頼関係構築に努める
知事や市長の人脈やコネをあてにせず営業活動を進めるには、営業先のかの担当職員との信頼関係をしっかり作るのが実は早道。
ただし、ここでいう信頼関係とは、「個人的に仲良くなること」ではありません。
担当職員の事業場の悩みに耳を傾け、必要な情報を法人として提供していくこと。
営業のコツ②は、「地域課題解決のパートナーとして頼れる会社だな」と評価してもらうことを目指しましょう。
営業のコツ③:法人として安定的に事業を担えることを示す
リスクを嫌う自治体への営業のコツで最も押さえるべきことは、「受注した後も安定的に仕事ができますよ」という裏付けとなる証拠を示すこと。
例えば、組織体制を示す、自治体との取引実績を一覧にして営業資料に入れる、などは代表的な方法です。
自治体にとって一番避けたいのは、
「発注した後製品が予定通りに設置されない・納品されない」
「事業の工程が予定通りに進行管理されない」
「担当者がタイムリーに対応しない」
などの事態が起こること。
製品やサービスが優れているのは当たり前のこととして、受注後も確実に業務を担える会社であることを示しましょう。
営業のコツ④:人口規模が同じ自治体に実績を展開する
自治体が民間企業から営業を受ける時に考慮するのが、「同じ人口規模での実績があるかどうか」。
実績がいくつかある場合、エリア営業にこだわらず同じ人口規模の自治体に戦略的にアプローチするのも営業のコツの一つ。
場合によっては、営業活動のマネジメントのあり方や、異なるエリア担当部署相互での情報共有など、自治体営業の仕組みを見直してみるのも一つの打ち手です。
このように、自治体ビジネスの仕組みはわかりにくい分、知っているかどうかが大きく成否に影響します。
最初は、自治体ビジネスをフォローしてくれるサービスを活用するのも1つの手でしょう。
LGブレイクスルーでは、こうした営業のコツを営業担当者お一人お一人の不安や疑問に寄り添いながら身につけていただく伴走型コンサルティングをお届けしています。
「コンサル」という言葉には、ともすれば
「難しい言葉ばかり並べる先生」
「分厚い報告書を納品し、あとはみなさんがやってください、で終わる」
といったマイナスのイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
LGブレイクスルーのコンサルティングは、こうした一般的な「先生方コンサル」とは対極にあるスタイル。
・指導者や先生ではなく、イコールパートナーとして。
・一方的な指導ではなく、対話とコミュニケーションを大切に。
・属人的な経験からではなく、再現性の高い、そして誰もが実践可能な「正解」を。
・個人で対応するのではなく、チームを編成して。
・報酬は、「一式いくら」ではなく、提供価値に応じて明確に。
こうした姿勢を徹底して貫き、コンサルメンバー一丸となってクライアント様が自治体営業に抱く不安や疑問を解決してまいります。
こちらはコンサルティングプランの一例です。
自治体のメカニズムに合わせて、専門のコンサルタントが時期に応じた異なるアプローチでスケジュールを組んでいるのがお分かりいただけますでしょうか。
ご支援期間は、クライアント様の状況に応じて3ヶ月・6ヶ月・1年以上と様々。
クライアント様の自治体営業の経験値やゴールを踏まえてご支援内容はカスタマイズしてお届けしています。
詳しくは弊社ウェブサイトをご覧ください。
https://www.b2lg.co.jp/solution/consulting/
自治体担当者にアポとりするためには?
よくあるアポ取り失敗例
民間企業と同じアポ取りをしても、地方自治体では失敗するケースがあるので注意が必要です。
いつもは、地域住民や企業からの問い合わせに真摯に対応している地方自治体でも、次のようなアポイントの申し入れに対しては、冷淡な対応が返ってきます。
地方自治体のアポ取りNGワード3選
「弊社の製品・サービスをご案内したい」
「ぜひご挨拶にお伺いしたい」
「近くに寄るのでついでに顔を出したい」
このような申し入れに対する地方自治体の回答は、「忙しくて時間が取れないので資料を送ってください。必要なら連絡します。」です。
この回答をもらってしまうと、アポ取りは失敗。
民間企業に対して通用するこのアポ取りワードが、地方自治体では通用しないのは何故でしょうか?
アポ取りを成功させるには?
上であげたアポ取りワードを使って失敗する理由は、単純です。
地方自治体がいつも最優先で考えていることは「地域課題の解決」であり、それ以外は不要もしくは後回しであるためです。
地方自治体や地方自治体窓口の担当者が見ているのは、「その商品やサービスは、今担当している地域の課題解決に、本当に役立つのか?」です。
地方自治体の職員は、地域住民からの要望に答えることが最優先。
特に、住民の人命や健康、権利の侵害に対しては、すべての仕事に優先して迅速に対応します。
民間企業の商品やサービスのセールスに対応する時間がありません。
アポ取りで断られてしまうのは、その商品やサービスや自治体側担当者に問題があるわけではなく、「アプローチの方法が間違っているから」です。
方法を少し変えるだけで、アポ取りの成功率がグッと上がります。
たとえば、次のとおりです。
民間企業とは違う地方自治体の特性を踏まえて、アプローチしてみましょう。
「この商品(サービス)は、〇〇(その課が抱える地域課題)や△△(行政計画)に貢献できます。」
「〇〇(その課が抱える地域課題)や△△(行政計画)に役立つ情報です。」
などです。
では、その地方自治体のその課が「抱える地域課題」や「行政計画」を知るにはどうすれば良いでしょうか?
自治体職員へのヒアリングで情報収集を!
自治体へのヒアリングは、下記の流れでおこないましょう。
公式ホームページのチェック
電話でアポ取り
自治体への直接訪問
ひとつひとつ説明します。
公式ホームページをチェックしてみよう
地方自治体がしている仕事や今後おこなう仕事について、積極的に地域住民に公開しています。
地域住民からの問い合わせに真摯に答えるのも、公務員の重要な仕事です。
IT化が進む中、従来書類配布や自治体職員の口頭説明という形の情報公開が、ウェブ上でされるようになってきました。
地方自治体の公式ホームページには情報がたくさんあります。
選挙で選ばれた首長(都道府県知事・市町村長)のメッセージや、地方自治体の行政計画などから、現在と未来の情報が得られます。
さらに、地方自治体内の別の部局で同じ内容の仕事をしていることもあります。
公式ホームページによる情報収集の際は、自社の事業に関連する管轄の担当課、担当係、担当者をチェックすることをおすすめします。
電話でアポ取りしてみよう
公式ホームページを読み、地方自治体で進行中の方針や計画や担当課、担当者がわかったら、電話でアポ取りをします。
(1)電話する時間帯
電話をする時間帯は、午前中がおすすめです。
職員は17時には帰りますので、16時以降のアポ取りは避けた方が良いでしょう。
(2)電話の内容は具体的に
具体的に「○○日の○○時か△△日の△△時はどうでしょうか?」と話すと話がスムーズに進みます。
(3)行政計画や方針をフックにする
行政計画や行政の方針にあらかじめ目を通し、その内容に関する情報共有が目的であることを伝えましょう。自治体としては開示した計画には説明責任があるため、アポイントの了解が取りやすくなります。
「行政計画の○○対策での対応はどうされているのか、聞かせてください」
「〇〇計画にある〇〇事業について情報提供したいのですがいかがでしょうか」
などのような聞き方をおすすめします。
さて、ここまでお読みになった方の中には、
「自治体にアポ電話して大丈夫なんだろうか」
「ガチャギリされたらどうしよう」
「何から話したらいいかわからない」
と感じた方もいらっしゃると思います。
また、電話をかけてみた方の中には、
「『どういう御用件ですか?』と尋ねられ、つい自社製品のアピールをして終わってしまった」
という方もいるかもしれません。
こうしたつまづきは、やる気や経験の問題ではありません。
一般的に、私たち民間人は、自治体職員と生活の手続き以外に会話をする機会はほとんどないため、自治体職員がどう反応するのか「イメージがわかない不安」からくるものです。
私たちLGブレイクスルーは、必要に応じてロールプレイなどのトレーニングも組み合わせ、具体的なイメージを持っていただき不安を払拭するプログラムを組み入れています。
現場で戦う営業担当者が人知れず抱えるこうした課題向き合い、「営業担当者が実際に行動に移せる」支援を展開しています。
地方自治体へ訪問してみよう
アポ取りに成功したら、いよいよ地方自治体に訪問です。
地方自治体職員がいつも悩んでいるのは「地方自治体が抱えているたくさんの課題」と「それをどう解決するか」です。
できれば、雑用はやめて、その課題に集中し取り組みたいと思っている職員がほとんどでしょう。
まずは、その「地方自治体が抱えている課題」と「課題への対応状況」を確認してみてください。
課題をしっかり理解すれば、自社の商品やサービスをアピールするためのチャンスが生まれます。
アポ取りせずに直接訪問でも大丈夫!
電話でアポ取りをしたとしても、「担当者がいない」や「今忙しい」「出張中」「会議中」などの理由で訪問日時が決まらないことがあります。
また、「電話でのアポ取りがちょっと苦手」と感じる方もいるでしょう。
そうした場合は、直接、地方自治体に訪問してみましょう。
地方自治体は地域住民に開かれた組織。職場のカウンターに多くの地域住民や企業がアポなしで訪れ話をしていくのは日常茶飯事です。約束がなくても職場のカウンターまで堂々と入って行って近くの職員に声をかけて目的を伝え取次をお願いしてみましょう。
担当職員がいなくても、その場にいる職員が丁寧に要件を聞いてくれます。
大事なのは、「地方自治体が抱えている課題」と「課題への対応状況」をしっかりヒアリングすることです。
そこから道が開けるため、是非チャレンジしてみてください。
基礎知識とポイントをおさえて、地方自治体に営業しよう
さて、「地方自治体営業!知っておきたい基礎知識と営業のコツ」、いかがでしたでしょうか。
私たちLGブレイクスルーには、
「自治体に営業するが全く進まない」
「市長にプレゼンテーションしたが仕事が取れない」
「自治体職員に提案したが相手にされない」
「見積書を出したが連絡がなくその後どうなったかわからない」
「入札やプロポーザルにチャレンジしてもなかなか勝てない」
などのように、多くの企業様から日々ご相談が寄せられます。
これらの原因は、
「自治体営業のコツに関する知識や情報がない」
「自治体営業に適した組織体制やマネジメントが機能していない」
「入札・プロポーザルという自治体ビジネスならではの企業選定の勝ち方についてノウハウがない」
の3つに集約され、これらの単独化組み合わせで課題が混在している状況が背景にあります。
この3つの原因に共通しているのは、
「企業が今まで積み重ねてきた民間営業ノウハウの中に答えがない」という点。
私たちLGブレイクスルーは、知識や情報を「研修」という手法で、
組織体制やマネジメントの課題を「コンサルティング」で解決し、
入札やプロポーザルの勝率向上を「標準化可能なノウハウ」で、
企業様が抱える自治体営業の課題解決に貢献しています。
自社だけで解決するのが難しい、自治体営業の
「わからない」「できない」「結果が出ない」を、
「わかる」「できる」「結果がでる」営業組織への変容をサポートしています。