民間とここが違う!自治体訪問アポイントの取り方を解説
自治体への営業活動の一歩は、県庁や市役所への訪問アポイントから。
今回の記事では、自治体訪問アポイントでよくある不安や疑問にお答えします。
自治体営業に取り組む上で、
以下のようなお悩みはありませんか。
・自治体への営業手法がわからない
・自治体への営業を手探りで進めているがなかなか結果が出ない。
・自治体へのアポイントがなかなか取れない。
・「いいね」と話は聞いてくれるがその先に進まない。
上記のようなお悩みごとがございましたら、LG ブレイクスルーが解決いたします。
弊社は地方自治体との持続可能なパートナーシップ構築を目指す企業様向けに、あらゆるソリューションを提供するコンサルティングファームです。
些細なお困りごとでも、まずはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
目次
不安とプレッシャーにさようなら
いざ自治体職員へアポイントを取ろうとすると、なぜかプレッシャーを感じてしまい、なかなか行動に移せない方も多いようです。
次のような不安や疑問について、まずはクリアにして臨みましょう。
自治体に営業訪問の電話なんかして大丈夫?
全く問題ありません。
自治体とは普段は住民票を取りに行ったりするだけの関係なので、少し躊躇してしまうかもしれません。
では、そもそも自治体の仕事とは何でしょうか。
収められた税金を一旦預かって、それを元手に地域住民や地域の企業のための課題を解決する取り組みを行う法人組織、それが地方自治体であり、彼らの主要な仕事です。
民間企業や住民とは、役割が違うだけ。多くの方がイメージする「お上」ではなく、上下関係はもともと存在しません。
ですから、基本的には住民や民間企業からの問い合わせや申し入れへの対応は、彼らの仕事の一部です。想像以上に、時には民間企業に対するアポイントより丁寧に対応してくれます。
だから、大丈夫です。遠慮なくアポイントを試みましょう。
メールでのアポイントは?
こちらも全く問題ありません。ただし、電話よりも時間を要します。
メールでのアポイントは、自治体の公式ウェブサイトに公開されている「課の代表メールアドレス」や「お問い合わせフォーム」から連絡する場合が一般的です。
これらの場合、その課の取りまとめを行う係が届いたメールの内容をチェックし、担当係に振り分けるという作業が発生します。
その分タイムラグが発生するというわけです。
また、メールの内容で優先されるのは、区域内の住民や地域の企業からの具体的な問い合わせです。営業アポイントの対応は優先順位が下がります。
一方、メールや問い合わせフォームからの訪問アポイントは、文書で記録が残るという利点もあります。
早めにアポイントを取りたい場合は、着信確認の意味でも、電話アポイントとあわせて行うとよいでしょう。
アポなし訪問は?
実は、結構確度が高いのが、この「アポなし訪問」です。
もちろん、ビジネスマナーとしてはアポイントを取ってからの訪問が望ましいと言えます。
しかし、自治体は地域住民や地域企業のための組織ですから、住民や企業から何か申し出があったら真摯に対応する、というのが基本姿勢です。
自治体の多くの部署では、アポなし訪問であっても、まずは対応するという体制を取っています。
担当者が在席していて時間がある場合は、時間を取って話を聞いてくれることも少なくありません。
アポなしでその部署がある庁舎のフロアに直接入っていけるのも、地域のために開かれた組織、自治体ならではの特徴です。
総合受付でアポなし営業がシャットアウトされてしまう民間企業の方が、ある意味敷居が高いと言えるかもしれません。
ただし、もちろん例外もあります。
例えば東京都庁です。
第一庁舎・第二庁舎ともに、エントランスフロアでアポイントの有無やセキュリティチェックがあります。
以前は東京都庁もセキュリティチェックなしでどのフロアへも行けたのですが、最近では海外でテロが頻発するような、物騒な社会情勢です。
また、地域課題が多様化・複雑化するなかで、東京都にはありえないほど多くの問い合わせやアポイントの申し入れが寄せられます。
そうした状況から、やむを得ない対応と言えるでしょう。
自治体は、多くの方が思っているほど「上から目線」ではありません。
まずは、自社を知ってもらうためのアポイントを取るところから始めてみましょう。
アポを入れる部署はどこ?
自治体への訪問アポイント、まずはどの部署に入れれば良いのでしょうか。
民間企業であれば、総務部門などに購買担当部署があり、そこが自社で使う商品やサービスなどを一括して受け付けていることが多いようです。
では、自治体ではどの部署がそうした役割を担っているのでしょうか。
自治体が民間企業に仕事を発注する目的
民間企業は、コスト削減、効率性の向上、社員教育などの分野で、さまざまな商材やサービスについて外部の企業に仕事を発注します。
これらに共通しているのは、直接・関節を問わず、すべて「自社の売上をのばすこと」が最終目的です。
一方、自治体の場合はどうでしょうか。
自治体組織の目的は、税収を元手とした「地域課題の解決」です。
「それぞれの部署が担当する地域課題の領域で、どのような取り組みに税金を投じれば課題を解決できるのか。」
「自治体内部で対応できない課題について、どんな内容の業務を、どんな製品やサービスを展開している民間企業に発注して、一緒に地域課題を解決すればよいのか。」
仕事を民間企業に出す主な動機はここが出発点となります。
そのため、各部署で検討される事業の元手となる予算は、各部署が個別に持っています。
これが自治体組織の仕組みです。
つまり、アポイントを取る先は、自社の製品・サービスが活用できそうな領域の部署単位、多くの場合は「課」単位となります。
案件獲得のキーマンは誰?
アポイントを取る時に知っておきたいのは、「誰が意思決定の権限を持っているか」です。
民間企業の場合は、社長などトップマネジメントの鶴の一声で契約企業が決まったり、営業先の部署の担当者とのお付き合いの深さで決まったりすることもあります。
それでは、自治体の場合は誰が案件獲得のキーマンなのでしょうか。
それは、課長です。
自治体組織の課長職は、民間企業における役員か、事業部長クラスと考えて下さい。
予算の決裁権を含めて、その事業領域全体に責任を負い、それに相応しい権限を有しています。
だったら直接課長にアポイントを取るのが早いのでは?
そうお考えになる方もいらっしゃるかと思います。
ところが、多くの場合いきなり課長にアポイントを取ることはできません。
初めてその企業にアポを取って訪問する時に、役員や事業部長に会えないのと同じです。
どの自治体も事業領域それぞれの課題ごとに担当職員が決まっているので、まずはその職員とコミュニケーションを取るところから始めましょう。
全課共通で必要な製品やサービスについては?
自治体は事業領域ごとの「課」が営業先の単位ですが、全課共通の内部管理上必要な商品やサービスについては、一括して受け付ける部署があります。
たとえば、庁舎のメンテナンスや警備、清掃、オフィス家具の買い替えなど、施設の管理に関する商品やサービスは、管財課や庁舎管理課と呼ばれる庁舎管理を管轄する課が該当します。
職員研修などの人材育成は人事課です。
ICTインフラの基幹システムの導入・更新などは、情報政策課が営業先になります。
いずれにせよ、自社の製品やサービスが、自治体組織のどんなニーズに対応するのかが営業先を見極めるポイントです。
自治体の公式ウェブサイトには、組織の紹介や各課の仕事内容が公開されているので、まずはよく確認してからアポイントを取りましょう。
アポ取りNGワード ワースト3
訪問のアポイントを取るとき一番良く使われる手段は電話によるアポです。
自治体の場合、地域の住民や企業からの申し入れや問い合わせには、真摯に応えるのが原則ですが、中には自治体担当者が少々冷淡な対応をせざるをえないアポイントの申し入れもあります。
「自治体へのアポイントがなかなか取れない」と悩む営業担当の方、次に紹介するNGワードのワースト3にお心当たりはありませんか
自治体からのアポを取れないNGワード ワースト3
・弊社の製品・サービスをご案内したい
・ぜひご挨拶にお伺いしたい
・近くに寄るのでついでに顔を出したい
上記3つに共通する自治体側からの答え。
「忙しくて時間が取れないので資料を送って下さい。必要なら連絡します。」
明らかにアポ取り失敗です。
民間企業ではよくあるアポ取りワードなのに、なぜアポ取りを失敗してしまうのでしょうか。
理由はとても単純です。
自治体の関心事は「地域課題の解決」
自治体は、アプローチしてくる民間企業のどこに関心を寄せるのでしょうか。
それは、
「この民間企業の製品やサービスは、ウチの課が取り組もうとしている施策や地域課題の解決にどのように役立つのか」
この一点だけです。
「弊社はこんな製品やサービスを展開しています」で終わってしまうアポイントの申し入れには、「だから、何?それが地域課題の解決やウチの施策の推進に、何の役に立つの?」となってしまうのです。
ただでさえ少ない職員数で、前例のない地域課題に奔走するのが自治体実務の現場です。
自治体職員の立場からすれば、民間企業の単なる製品やサービスの紹介やセールスに、地域住民や地域課題への対応に充てるべき本来業務の貴重な時間を割くわけにはいきません。
「資料を送ってくれれば事足りる」という対応になってしまうのは、無理からぬことです。
無下に断られてしまうのは、決して自治体が上から目線だから、ということではありません。
自治体の組織目的や関心事を理解していない、民間企業側に原因があるのです。
アポの確度を高めるために
こうした自治体の組織特性を踏まえれば、アポイントの取り方は自ずと見えてきます。
「自治体のその課が抱える地域課題や施策の推進に貢献できる企業です」
「地域課題や施策の推進に役立つ情報を持っています」
こうしたアプローチでアポイントを申し入れれば、どんな自治体であっても、第一四半期(4月〜6月)であれば、また、選挙や地域イベントなどの繁忙期を除けば、まず話は聞いてもらえます。
ポイントは、その課の施策の推進や直面している地域課題の解決にとって、必要な情報や技術を持っている企業であることを訴求すること。
「どんな施策を進めているのか、また、どんな地域課題の解決に取り組もうとしているのか。」
自治体の公式ウェブサイトなどで事前に情報を集めて、アポイントのストーリーを組み立ててみてください。
アポ取りの成功率がぐんと良くなるはずです。
自治体営業のコツについては、こちらもご一読ください。
地方自治体へ営業!知っておきたい基礎知識と自治体営業のコツを解説! | 自治体ビジネスドットコム
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