プロポーザルに勝つためのプレゼンテーションとは?手順とポイントを徹底解説

プロポーザルで勝つためには、企画提案書のプレゼンテーションで他社に勝る点数を獲得する必要があります。
特にプレゼンテーションは、配点割合が高いケースも多いです。
プロポーザル案件を勝ち取るには、プレゼンテーションでミスを少なくしなければいけません。
プロポーザルのプレゼンテーションで勝つには、テンプレートシートの作成やリハーサルなど、いくつかポイントがあります。
これらのポイントを理解しておくだけでも、自治体ビジネスに参加できる可能性が高まります。
そこで今回の記事では、プロポーザルに勝つためのプレゼンテーションにおけるポイントを解説します。
プロポーザルに取り組む上で、
以下のようなお悩みはありませんか。
・プロポーザルに挑戦してもなかなか勝てない。
・プレゼンテーションの事前準備は何をしたら良いかわからない。
・優れた提案内容なのにいつも敗退してしまい、理由もわからない。
・最近プロポーザルの勝率が下がってきた。
・今まで随意契約で受注していたのに、自治体から突然プロポーザルに切り替えると言われた。
上記のようなお悩みごとがございましたら、LG ブレイクスルーが解決いたします。
弊社は地方自治体との持続可能なパートナーシップ構築を目指す企業様向けに、あらゆるソリューションを提供するコンサルティングファームです。
些細なお困りごとでも、まずはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
目次
プレゼンテーションの重要性と3つの評価パターン
プロポーザルでは案件によってプレゼンテーションが求められる場合があります。
中には、“プレゼンテーションは企画提案書の説明の場”と思っている方も多いのではないでしょうか。
実はその考えは大きな間違いです。
プレゼンテーションはヒアリング審査とも呼ばれ、企画提案書と同様に重要なプロセスといえます。
企画提案書とプレゼンテーション、どちらが重要なのでしょうか。
その評価パターンは案件ごとに異なり、主に3つに分類することができます。
総合評価パターン
企画提案書とプレゼンテーションの評価基準が同一で、総合的に判断するものです。
プレゼンテーションでは、企画提案書の実現可能性の確認が行われます。
個別評価パターン
企画提案書とプレゼンテーションの評価基準が異なり、それぞれの点数を合計して判断するものです。
企画提案書の評価とプレゼンテーションの評価がそれぞれに行われるため、プレゼンテーション次第で評価を覆すこともできます。
段階評価パターン
企画提案書とプレゼンテーションの評価基準が異なり、企業を段階的にしぼり込むものです。
プレゼンテーションは最終的な勝敗を決める大切な局面となります。
後半に紹介したパターンほど、プレゼンテーションが重視されます。
プロポーザルで勝つためには、組織として戦略的にプレゼンテーションに取り組むことが必要です。
参加する案件がどのパターンなのか、まず最初に仕様書などをしっかりと読み込みましょう。
確認必須!プロポーザルにおける8つのプレゼンテーション要件
実際にプレゼンテーション準備やプレゼンテーションの本番に臨む前に、必ず確認すべき8つの要件として以下を紹介します。
- 時間の要件
- 順番
- 参加人数
- 会場や設備
- 補助ツール
- 評価メンバー
- 評価基準
- 禁止事項
1.時間に関する要件
仕様書などにプレゼンテーションの時間が記載されているかと思います。
その中でも例えば、配分には準備時間も含むのかなど、細かい要件を確認しておきましょう。
主に確認するポイントは、
- 準備時間
- プレゼン時間
- 質疑応答
- 撤収に要する時間
など。
また、制限時間を超過したとき、強制終了されるのかも確認しておきましょう。
基本的には、割り当てられた時間の95%ほどで組み立てておくのがおすすめです。
2.プレゼンの順番
エントリーする企業数によっては、プレゼンテーションの順番が変わります。
- 当日の午前中 / 午後
- 1番目 / 最後
出番によって、プレゼンの組み方や伝え方を工夫することもできるかもしれません。
当日の心構えにもつながるため、順番も確認しておくことをおすすめします。
3.プレゼン参加人数
プレゼンテーションに参加する人数は、基本的に1名になることは避けてください。
2名、もしくは最大3名で臨みましょう。
どのパートを誰が担当するのかなど、それぞれの得意分野や立場を考慮しながら担当を割り当てます。
4.会場や設備
会場や設備も確認しておきましょう。
例えば、
- 会場の場所や広さ
- 席配置
- 機材
などです。
特に、機材関係は確認が欠かせません。
例えば、プロジェクターを使ってスライドを映し出すとしましょう。
この場合、プロジェクターとパソコンをつなぐコネクタの端子がHDMIなのか、VGA端子なのかによって、接続可能なのか、変わってきます。
当日会場入りしてから、接続できないなどのトラブルが発覚するのは避けなければいけません。
事前に担当部署に伝えることで、設備関係をあらかじめチェックすることは可能です。
「きっとこうだろう」と決めつけず、必ず確認しておきましょう。
5.使用可能な補助ツール
自治体によっては、パワーポイントやKeynoteの使用を禁止しているところもあります。
提案書とは異なるスライドを用いてプレゼンして良いのか、細かい部分も確認しておきましょう。
6.評価メンバー
評価メンバーも重要なポイントです。
他部署の課長、場合によっては地元の事業者であることも多いです。
どこの誰に向けてどうプレゼンテーションを実施するのか、評価メンバーによって組み立て方を変えると、より伝わりやすくなるでしょう。
7.評価基準および配点
評価基準と配点は仕様書などに記載されており、評価基準項目によって配点も異なります。
他社よりも高い点数を獲得するためには、配点が高い項目をより重点的にアピールする必要があります。
中には、配点が記載されていないケースもあります。
その場合も、事前の質問受付の際に必ず確認しておきましょう。
8.禁止事項
あらかじめ、プレゼンテーションで禁止されていることを確認しておくのもおすすめです。
禁止事項を知らずにしてしまうと、減点されかねません。
担当者にハッキリと、「プレゼンでやってはいけないことを教えて下さい」と聞いておくと安心です。
【プロポーザルに向けて】プレゼンテーションプランシートの作成
事前に確認すべき要件を確認できたら、次にプレゼンテーションプランを構築しましょう。
プランを作成しておくことで全体の流れが整理でき、スラスラと話せるようになるはずです。
そこでここでは、プレゼンテーションプランシートの作成ステップを解説します。
ステップ1.評価プロセス及び評価基準の確認
評価プロセスおよび評価基準の違いによって、訴求するポイントとプレゼン構成が異なります。
他社を制する戦略を確立するために、評価プロセスと基準の確認は欠かせません。
高い点数を獲得するのではなく、他社に勝った点を獲得することを意識していきましょう。
実施方法としては、まずプロポーザル実施要領などに明記された評価項目を確認します。
プレゼンテーションの局面で何が重視されるのかを予測し、全体で何を強調するべきか、プレゼンテーション戦略を明確にします。
ステップ2.訴求ポイントの抽出
限られた時間の中で、企画提案書の内容すべてを説明することは不可能です。
他社を制するためには、企画提案書のどの部分を重点的にアピールすべきか、しぼり込んで決める必要があります。
実施方法は、各評価基準の配点や競合他社の獲得点数予測に基づき抽出すること。
その上で訴求ポイントを考えてみてください。
ステップ3.メンバーの編成
それぞれの訴求ポイントを提案するのに相応しい人員を編成することで、プレゼンテーションの説得力がより増します。
実施方法は、ステップ2で抽出した訴求ポイントの内容を考慮し、相応しいメンバーを割り当てること。
また質疑応答があるケースも多いため、その場で適切かつ責任を持って回答できる人が望ましいです。
基本編成は、
- 責任者(管理職)
- 担当者
- 技術専門家
の3名です。
外部の協力会社や、委託業者のスタッフを検討しても良いでしょう。
ちなみにプレゼンテーションは、「責任者(管理職)」が担当する必要はありません。
プレゼン後のヒアリングで「本当にできますか?」など聞かれることがあるため、ハッキリと「大丈夫です」と回答できる人がいることが重要だからです。
また、プレゼンの日時はギリギリで決定することもあります。
ある程度のスケジュールが分かった時点で、人員をある程度押さえておきましょう。
決定後に急きょ辞令などがあった場合は、正直に事情を説明しましょう。
その上で同じ役職者に参加させる、現地からSkypeなど通話ツールで繋ぐ、動画を組み込むなど、最適な方法を選びましょう。
ステップ4.補助ツールの手配
補助ツールとは、訴求ポイントをより効果的に提案するための仕掛けとして活用する資料やツールです。
企画提案書やパワーポイントとは、別に用意しましょう。
理由としては、文書や言葉だけの表現よりも「現場」「現物」「現実」を評価員に体験してもらう方が、説得力が高まる場合があるからです。
実施方法は、プレゼンメンバーそれぞれが訴求するポイントを、企画提案書や人的プレゼンテーション以外の方法で評価員に効果的に伝える手段がないか、検討すること。
補助ツールの入手、もしくは制作を手配し、準備しましょう。
ステップ5.シナリオ構成
評価員の気持ちを動かし、高得点を取得するには、「あらすじ」が不可欠です。
あらすじによって、自社の優位性を分かりやすく伝え、説得力のあるプレゼンテーションにすることができるためです。
実施方法として、軸となるストーリーをプレゼンテーションの評価項目の順番に沿って構成します。
競合の得点予測を確認しながら、ストーリーにメリハリをつけましょう。
「プレゼンテーションプランシート」にストーリー構成に基づき、訴求すべき内容などをとりまとめ、メンバーでプレゼンテーションの全体設計と他社を制する戦術を共有しましょう。
必要に応じてプレゼンテーション用の資料も、プレゼンテーションプランシートに沿って作成します。
「プレゼンテーションプランシート」の作り方は以下の通り。
内容 | |
ヘッダー | プレゼンテーション要件を明記しておきます。 あとで振り返るときにも役立ちます。 |
パート | 項目順に秒単位で所要時間を書きます。 担当者やプレゼン内容、補助ツール評価基準、競合対策などを盛り込みましょう。 |
内容 | 要点を箇条書きで大丈夫です。 台本を書いてしまうと、それを読み上げるだけになってしまいます。 読み上げるだけでは、訴求したいことが伝わりません。 |
プロポーザルのプレゼンテーションに挑む前にはリハーサルを!
ここまでプレゼンテーションについて解説しましたが、本番前にはリハーサルが欠かせません。
ここではその理由と、実施方法を詳しく解説します。
リハーサルが必要な理由
プレゼンテーションプランで意図したことが評価員に伝わるかは実際に進めてみないと分かりません。
リハーサルで新たな問題点に気づくことがあります。
また、限られた時間内でプレゼンテーションを終わらせるためのチームプレーを確認する意味もあります。
実施方法
リハーサルは、以下の3サイクルの法則で実施します。
1回目:時間配分
全体を通してみて、所要時間を測りましょう。
プレゼンテーションの項目ごとにラップタイムを測り、プレゼンテーションプランシートに実測値として書き込んでおきます。
オーバーした時間をどこで調整するか、全体の時間配分を調整しましょう。
2回目:内容の磨き上げ
調整した時間配分で、再度全体の通しリハーサルを行います。
そこで気付いた点を改善するとともに、時間内に収めることを目指しましょう。
3回目:質疑応答含めた最終調整
プレゼンテーションの後の質疑応答も含めて、リハーサルを再実施。
さらに細かい部分を修正し、完成に向けて仕上げていきます。
プロポーザルのプレゼンテーション実施におけるテクニックと対策
続いては、プロポーザルのプレゼンテーションにおけるテクニックと、課題への対策を紹介します。
5つのプレゼンテクニック
プレゼンテーションとは、スライドを「説明」することではありません。
スライドを「使って」プレゼンすることです。
ここからは、実際に活用できる5つのプレゼンテクニックを紹介します。
① 相手のアクションを引き起こす
プレゼンテーションの目的は、聞き手にアクションを起こしてもらうことです。
基本ではありますが、最終的に聞き手にどのような行動を起こしてもらいたいのか、ハッキリさせることが重要です。
② スライド1枚あたり、結論を1つにおさめる
ひとつのスライドに情報を沢山盛り込むと、論点からかけ離れてしまいます
スライド1枚あたり、1つの結論を意識しましょう。
③ スライドの結論は最初に述べる
唐突に話し始めると、観客はここで何を伝えたいか分からないまま、説明を聞くことになります。
はじめに結論を述べた上で、根拠などを説明するとより分かりやすいです。
④ 「ブリッジ」をかける
「ブリッジ」とは、スライドとスライドの間を効果的につなぐストーリーを提示し、全体の流れをつくるプレゼン手法です。
今までの訴求のまとめ、次のスライドの予告、次のスライドへ導入する投げかけなどを盛り込みましょう。
⑤ 必ず最後に「プロポーズ」をする
最後は必ず、プレゼン相手である自治体のパートナーとして課題解決の力になりたいことをまっすぐ伝えましょう。
あがり症対策
この記事を読んでいる人の中には、あがり症の方もいるかと思います。
あがり症の場合は、いつもと違う自分を「演じる」意識を持つと良いでしょう。
また、自社提案の「いいところ」に揺るぎない自信を持つこと、「ゆっくり話す」ことに意識を集中させるのも効果的です。
まとめ:プロポーザルのプレゼンテーションに通過して、自治体ビジネスへの参画を
プロポーザルにおいて、プレゼンテーションは重要です。
そのため、他社よりも得点を獲得すること、自治体から選ばれるためのプレゼンテーションを実施するために重要なポイントを解説しました。
いくつかテクニックをお伝えしましたが、すべては事前準備にあるといっても過言ではありません。
しっかりとポイントを押さえた計画を立てて、余裕を持った準備を心がけてください。
何よりも、その自治体とパートナーとして課題解決に取り組んでいく想いを伝えることを忘れないようにしましょう。
プロポーザルで勝つための戦い方については、こちらの解説もご一読ください。
自治体から評価されるプロポーザルの戦い方【10のステップ】|自治体ビジネスドットコム
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自治体ビジネスへ参入するそれぞれの企業様ごとの課題やお悩みに耳を傾け寄り添いながら、事業獲得をサポートし、自治体ビジネスの事業成長に貢献しています。