「プロポーザル」と「コンペ」の違い 〜自治体は企業をこうして選ぶ〜
自治体が物を買ったり、地域のために実施する事業は、地域住民から預かっている大切な税金が元手。だからこそ、物を買ったり事業を発注したりする企業を、自治体の中で、誰が、どのように選んだのか。
選び方に公平性や透明性、妥当性が求められます。
税金を預かっている立場として、選んだ結果に説明責任を伴うわけです。
そうすると、担当職員の個人的な感覚で、「この会社の製品がカッコよくて好きだから頼みました」・・・こんなことは許されません。
自治体は、税金を収めた側からの視点、つまり誰もが納得するフェアな方法で、企業を選ぶ必要があります。では、自治体はどんな方法や考え方で、発注先の企業を選んでいるのでしょうか。
この記事では自治体における発注先の選び方の種類や、混合されがちなプロポーザルとコンペの違いについて解説します。
自治体ビジネスへの参入を検討する上で、
以下のようなお悩みはありませんか。
・自治体ビジネスに参入したいが何をしたら良いかわからない。
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目次
プロポーザルとコンペの違いは?
プロポーザルとコンペは非常によく似ていますが、選ぶ対象が異なります。
プロポーザルは「提案者」を、コンペは「提案」を選ぶ
プロポーザルとコンペはどちらも提案を提出させて判断するという方法は共通していますが、選ぶ対象に違いがあります。
プロポーザルでは提案内容に加えて事業実施方針、実施体制、実績、地域貢献度などを判断し、「提案者」=「会社」を選びます。
一方、コンペでは製品や構造物、建築物などの設計について「提案そのもの」を選ぶのです。
プロポーザル案件を受注するには、提案だけでなく会社そのものも評価される点をきちんと理解しておかないとプロポーザルは受注できません。
プロポーザルとコンペ、それぞれのメリットとデメリット
プロポーザルとコンペには、それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあります。
選ぶ対象 | メリット | デメリット | |
プロポーザル | 「提案者」を選ぶ | ・人を選ぶので初期から発注者と発注先企業の協働体制でプロジェクトを進められる
・コンペに比べて応募者の手間や経費は少なくて済む傾向 ・発注者の意見要望をふまえたプロジェクトにできる |
・実績のない会社は参入しにくい
・具体的提案を選ぶわけではないので選定方法の透明性、公平性確保に工夫が必要 |
コンペ | 「提案」を選ぶ | ・具体的提案を選ぶため、選定後の事業実施がスムーズ ・応募者は提案がよければ過去の実績にとらわれず選ばれる可能性がある |
・具体的提案を必要とするので応募者、発注者ともに手間や経費がかかる ・発注者は選定時に専門的知識が必要になる ・当初の提案に拘束されるため、発注者の要望が反映されにくい ・応募者にも手間と経費がかかるため、受注できなかった時の負担が大きい |
コンペとの違いをふまえたプロポーザルにおける注意点
プロポーザルとコンペはよく似ていますが、結果の部分が大きく異なります。
プロポーザルに挑戦する際に最も重要なのが「提案内容だけで評価するわけではない」と理解することです。
案件を獲得するためには評価基準を意識することがポイントとなります。
評価基準は実施体制、事業実施方針、実績、地域貢献度と多岐にわたり、提案内容がいくらよくてもこれらの部分が手薄だと、受注はなかなかできません。
参考に、実際のプロポーザルの評価基準を紹介します。
福島県の楢葉町でCM業務を委託するときのプロポーザルですが、評価基準はざっくりまとめると以下の通り。
- 企業の実績…10点
- 管理技術者の技術力…22点
- 担当技術者の技術力…13点
- 業務実施方針…20点
- 特定テーマに対する提案…40点
- ヒアリング…20点
計 125点
このうち、提案内容に該当するのは5番「特定テーマに対する提案」の40点分のみ。
それ以外の部分が85点分もあるのです。
実績などは一朝一夕にできるものではないので、理解しても対策できないこともあるかもしれません。
ですが、実施体制やヒアリングなどの部分は創意工夫で点数アップが可能です。
評価基準を意識するだけでも、受注の可能性はぐっと高まります。
参考:公募型プロポーザル方式(簡易)評価項目及び評価基準表|楢葉町産業再生エリア整備事業及び笑ふるタウンならは(商業交流ゾーン)整備 事業CM業務委託公募型プロポーザル方式(簡易)
昨今のプロポーザルはコンペに近くなってきている点に注意
プロポーザルとコンペは違うと説明してきましたが、実は昨今のプロポーザルはコンペに近くなってきています。
どこが近くなっているのかというと、プロポーザルでもより具体的な提案書が求められる傾向が強くなってきている部分。
具体性が求められる傾向が強いので、プロポーザルの準備にかかる手間や費用は増大傾向にあります。
受注できないと、準備にかかった費用や手間に対して何も還元されず、ただの骨折り損になってしまいます。
だからこそきちんとした対策を考え、受注できるようにしていかねばなりません。
自治体のプロポーザル案件で事業を獲得するためには、プロポーザルの特徴や注意点を理解し、自治体から評価される戦い方で取り組むことが重要となります。
自治体から評価されるプロポーザルの戦い方については、こちらもご一読ください。
自治体から評価されるプロポーザルの戦い方【10のステップ】|自治体ビジネスドットコム
プロポーザルとコンペの違いはきちんと把握を
自治体における発注先の選定方法やプロポーザルとコンペの違いについて解説しました。
プロポーザルとコンペは「選定対象」が違う。
混同しがちな用語ですが、自治体ビジネスに参入しようと思っているなら理解は必須です。ここできちんと整理して、自治体ビジネスへの参入に活かしてくださいね。
自治体ビジネスの参入でお悩みの方はLGブレイクスルーにご相談ください
今回ご紹介したプロポーザルの特徴や他の方式との違いを理解することは、自治体ビジネスに参入し事業を獲得するための第一歩です。
一方、実際に取り組みを進める際には、「まず何から手をつけたら良いかわからない」「なるべく早く成果につなげたい」という方も多いのではないでしょうか。
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自治体ビジネスへ参入するそれぞれの企業様ごとの課題やお悩みに耳を傾け寄り添いながら、事業獲得をサポートし、自治体ビジネスの事業成長に貢献しています。