入札

入札不調、入札不落とは?落札者がいない場合入札はどうなるの?

はじめに 

  • 国や地方自治体などの官公庁において、入札の不調や不落とはどういう意味?
  • 不調と不落はどう違うの?
  • なぜ不調や不落が起こるの?
  • 官公庁における入札の際、参加者や落札者がいなかった場合はどうなるの?

と疑問の方も多いかと思います。

官公庁は民間企業とは違う価値観で動きます。

ここでは官公庁独自の価値観や、競争入札・随意契約の違いなどを含めて、官公庁入札における不調や不落について徹底解説します。

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民間企業と官公庁の価値観の違い

民間企業と国や地方公共団体などの官公庁には大きな違いがあります。

民間企業 利益を生み出すプロ集団
官公庁 「最終的な決定権を持つ国民・地域住民」のために働く組織

民間企業は、利益を生み出すプロ集団が利益を生み出す組織です。

官公庁が行なっている日々の業務の最終決定権者は、国民や地域住民です。

官公庁は、国民や地域住民のために働いており、システムを作り、集めた税金を運用する組織なのです。

国民や地域住民の代表者たる議員が集まった議会の議決のとおりに官公庁は動かなければいけません。

官公庁の本質的な仕事は、

①国民や地域住民が末長く、人間らしく生活できるようにする仕事
②国民や地域住民がもっと豊かになる仕事

です。

①国民や地域住民が末長く、人間らしく生活できるようにする仕事とは

・誰もが人間らしく扱われ、誰もが尊厳ある生活ができるようにシステムを作ること

・差別や暴力から人々を守ること

世界人権宣言日本国憲法持続可能な開発目標SDGs

などがあります。

②国民や地域住民がもっと豊かになる仕事とは

国民や地域住民を補助しチャンスを広げて国や地域を活性化すること

民間企業を補助して国や地域を活性化すること

公共投資のフロー効果

などがあります。

※民間企業と官公庁の違いは、業務内容の説明責任の違いにも現れています。

説明する相手
企業 株主
官公庁 国民や地域住民

民間企業は、株主に説明責任があります。
一方で、官公庁は国民や地域住民に説明責任があります。

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競争入札が原則

透明性と公平性が重要

国や地方自治体などの官公庁は、「最終的な決定権を持つ国民・地域住民」のために働く組織です。

その仕事をするために、国民や地域住民に説明責任があります。

国や地方自治体が、物やサービスを税金で購入する場合は、国民や地域住民がいつ調べてもわかるようにしなければいけません。

したがって、物やサービスを購入する際には

✔︎ 透明性

が重視されます。

官公庁は、全ての国民や地域住民ひとりひとりが平等な存在です。

したがって、物やサービスを購入する事業者に対しても平等な取り扱いをします。

✔︎ 公平性

も重視されます。

競争入札とは

官公庁では、最も透明性・公平性が高い、一般競争入札が原則です。

それでは、競争入札とはどういう仕組みなのでしょう? 

競争とは 競争売買という意味の「競争」です。
ひとつの官公庁に対して複数の事業者が競争して契約をとる方法です。
入札とは 複数の事業者が、金額や条件を提示します。
官公庁にとって最も条件の良い事業者を選ぶことです。

競争入札には様々な入札方式があります。
官公庁は、購入する物やサービスの性質や金額、規模によって入札方式を選びます。

主な競争入札は次のふたつです。

一般競争入札 広く公募して入札参加者を募集し、その中で入札を行います。
指名競争入札 官公庁があらかじめ、複数の事業者を選び、その中で入札を行います。

随意契約とは

随意契約 競争をせずに、官公庁が事業者を選ぶ方法です

随意契約は、競争をせずに官公庁が直接事業者を選び、物やサービスを購入するため、公平性や透明性に欠けます。
そのため、随意契約を結ぶ条件が法令などであらかじめ決められています。

契約後も談合や癒着が起こらないように、厳しくチェックされる契約です。

随意契約の具体例は次のとおりです。

予算決算及び会計令第99条

国の機密事項に係る契約であるとき
災害対策など緊急性のあるとき
法律等であらかじめ決められた金額以下の価格であるとき
官公庁や農業協同組合等など公的な組織から購入するとき

などです。

※国の省庁や地方公共団体ごと、入札契約ごとに若干の違いがありますので、必ず入札説明書をご確認ください。

随意契約には、競争性のある随意契約と、競争性のない随意契約とがあります。

競争性のある随意契約 一般競争入札・指名競争入札のように具体的な仕様などが決まっていない段階で複数の事業者が競争します。

具体的には
プロポーザル方式
・コンペ方式
・公募方式
などです。

競争性のない随意契約 ①競争入札するまでもない、小額契約の場合
ノート1冊、ぺん1本まで競争入札していては事務が煩雑になり、返って業務効率を落としてしまためです。
②電気・ガスなど供給側がほぼ決まっている場合
③抗インフルエンザ薬など

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競争入札の大きな流れ

競争入札とは、広く公募をする一般競争入札と、官公庁が指名をした事業者が参加する指名競争入札とがあります。

指名競争入札には公募の段階がありません。

一般競争入札の流れはどのような流れでしょう?

一般競争入札の流れ

入札方針の決定 官公庁の中で、どのような契約か、どのような受注者を決定するのかについて話し合いをします。
公告 どのような入札が行われるか、官公庁が広く知らせます。
資格審査 官公庁が、入札参加者の資格審査をします。
資格審査の基準は入札公告の際に知らされます。
内容は、欠格条項に該当しないかどうかなどです。
※入札 入札の場所や方法は入札公告の時に指定されます。
入札参加者が、価格や条件などを、官公庁に提出します。
※開札 入札参加者から出された価格や条件などを一斉に開札します。
※落札者決定 あらかじめ決められた方法で落札者を決定します。
契約 落札者と契約します。
検収 契約が適切に行われたか官公庁がチェックします。
支払い 適切に契約が行われた場合は、支払いが行われます。

※入札の不調・不落は、「入札」「開札」「落札者決定」の段階で発生します。

一般競争入札について、詳しくは「一般競争入札とは?わかりやすく徹底解説」を参考にしてみてください。

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入札の不調・不落とは

予定価格とは

まず先に、不調・不落を決定する重要な言葉「予定価格」について説明します。

予定価格とは、官公庁があらかじめ決定した価格の上限のことです。

なぜ予定価格が必要なのでしょうか?

それは、国や地方公共団体などの官公庁は、国民や地域住民の声を代表した議会で決めた予算」よりも高い値段で物やサービスを購入することができないからです。

そのため、議会で決めた金額を上回らないように予定価格という上限値を決めています。

不調・不落の定義

不調や不落とは、どちらも発注した公共事業の「受注者」が決定しないことを意味します。

①不調 入札への参加者がいない等の理由で、開札に至らなかったもの
②不落 開札には至ったものの、予定価格を超過しており、落札者がいなかったもの

①「不調」は、官公庁が入札を公告した際に、金額やスケジュール、距離などの理由で採算が合わないことにより、入札参加者がいない場合などのことです。

②「不落」は、入札参加者が集まり、入札を経て、開札までは成立しています。

しかし、開札してみた結果、全参加者が提示した金額や条件が「予定価格」を超過しているため、入札参加者全員が落札できなかったことです。

予算決算及び会計令 第99条の2には次のとおりの規定があります。

契約担当官等は、

✔︎ 競争に付しても入札者がないとき、

又は

✔︎ 再度の入札をしても落札者がないときは、

随意契約によることができる。

この場合においては、契約保証金及び履行期限を除くほか、最初競争に付するときに定めた予定価格その他の条件を変更することができない。

入札の不調・不落が起きる理由

手間暇かけた入札準備をしているにも関わらず、なぜ「受注者が決まらない」不調や不落が起きるのでしょうか?

例えば次のような理由があげられます。

①官公庁が提示する条件が、現実の状況とかけ離れて安く、採算に合わないから入札に参加できない。もしくは、参加しても落札できない。
②入札を公告しているが地理的に遠すぎる。

などです。

特に、

人手不足により技術員や作業員が不足している場合
②労務費や材料費が高騰している場合

などは、官公庁から提示される条件が安すぎて、入札不調や不落が起きやすくなります。

官公庁も、入札不調や不落は回避したいので様々な対策をとっていますが、どうしても不調や不落をゼロにすることは難しいのです。

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入札で不調・不落が起きた時どうなるか

それでは、入札不調・不落が起きた時は、官公庁はどのような方法で対処するのでしょうか?

再入札

まずは、その場で「再入札」が行われます。

予定価格を見直してもう一度入札します。
この再入札で落札者が決定すれば、その事業者が落札者となります。

予算決算及び会計令第82条に書かれています。

契約担当官等は、開札をした場合において、各人の入札のうち予定価格の制限に達した価格の入札がないときは、直ちに再度の入札をすることができる。

再入札しても不調・不落のとき

もしも再入札を行なっても、さらに入札不調が起きたら、随意契約を行います。

根拠となる規定は、予算決算及び会計令第99条の2です。

契約担当官等は、

✔︎ 競争に付しても入札者がないとき、

又は

✔︎ 再度の入札をしても落札者がないときは、

随意契約によることができる。

この場合においては、契約保証金及び履行期限を除くほか、最初競争に付するときに定めた予定価格その他の条件を変更することができない。

この随意契約を「不落随意契約」といいます。

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おわりに

いかがでしたでしょうか?

入札の不調は、競争入札(一般競争入札や指名競争入札)に参加者がいない等のことです。

入札の不落とは、競争入札(一般競争入札や指名競争入札)で開札してみたら、全員が予定価格を上回っており、落札者がいないことです。

どのような競争入札でも、不調もしくは不落が起きる可能性はゼロではありません。

この機会に是非チェックしてみてください。

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