熊本県の入札に参加したい!入札手続きや注意点など徹底解説
目次
はじめに
熊本県は「阿蘇くじゅう国立公園」を含む9ヶ所の自然公園、178の島がある、大変自然豊かな地域です。
特に「阿蘇カルデラ」は日本国内だけでなく、世界でも有名な巨大カルデラですね。
また近年、独自の自治体政策・官民連携プロジェクトで注目を集めている地域でもあります。
例えば、2010年よりゆるキャラ「くまモン」を展開。
さらに、2016年に発生した熊本地震からの復興を目的とした「ONE PIECE 熊本復興プロジェクト」では、漫画『ONE PIECE』の漫画家・尾田栄一郎氏との連携が注目されています。
自然が豊かで、新しい民間企業との連携が進む熊本県。
そのような場所で、自治体ビジネスを展開したい方は大勢いらっしゃるかと思います。
ここでは熊本県における、自治体ビジネス開拓における重要な「入札」の、
- 入札の傾向
- 入札情報の調べ方
- 事前準備
について徹底解説します。
ぜひ、この記事を熊本県での自治体ビジネス拡大にご利用ください。
熊本県の入札の傾向をつかむには?

自治体ビジネス開拓のために入札にチャレンジする場合、その地域のニーズを知ることが重要です。
そもそも地方自治体には、その土地ごとに特有の課題があります。
例えば、人口問題や災害対策、伝統産業の保護など。
その地域特有の課題を解決するために、選挙で住民に選ばれた知事や議員がプランを立てます。
そして、官公庁はそのプランに応じて、事業者に発注します。
そのため、入札など事業者に発注する内容には、地域の課題が反映されます。
熊本県はどうでしょう?
先ほど紹介したとおり、熊本県は山も海も自然環境が豊かであり、他の地方自治体にはない環境があります。
さらに、自治体と民間企業との連携にも特徴があります。
そのぶん他の地方自治体で入札を経験されている方でも、熊本県のニーズを把握しにくいかもしれません。
それではどうすれば、熊本県のニーズや入札傾向を知ることができるのか?
最も効率的な方法は、熊本県の過去の入札結果を調べること。
県知事の公約や、県政評価を分析するという方法もあります。
確かに、県知事の公約を調べると熊本県の大きな流れが把握できます。
しかしそれ以上に効率的なのが、過去の結果を調べることなのです。
実際に過去の入札を調べてみると、例えば
- 具体的にどのような発注が行われているのか?
- どのようなライバル事業者がいるのか?
- 落札した事業者の特徴は?
- 落札した理由は?
などの、重要な情報を知ることができます。
入札の結果はどこにある?
熊本県のニーズを把握し、入札傾向を知るには、過去の入札結果を分析するという方法が一番。
それでは、具体的に入札結果の調べ方について説明します。
実は、入札結果に関する情報は、熊本県の公式サイトから調べることができます。
熊本県公式サイトから、実際にたどってみましょう。
(出典 熊本県)
熊本県公式サイトを開き、右の端にある「県の紹介・県政」にカーソルを合わせ、「入札・県有財産売却」をクリックします。
その中の「電子入札システム(別ウインドウ)」を開きましょう。
(出典 熊本県)
そうすると、熊本県と熊本県内市町村が共同運営する「くまもと県市町村 電子入札システム」が開きます。
「入札情報公開サービス」をクリックします。
(出典 熊本県)
「くまもと県市町村 電子入札システム」で一括管理されている熊本県と熊本県内市町村のロゴが出ます。
今回は、熊本県の入札結果を見ますので、「熊本県」をクリックしてください。
(出典 熊本県)
別ウインドウでメニューの一覧が出てきます。
入札結果は、一番上の「入札・契約情報の検索」にありますので、クリックします。
(出典 熊本県)
「入札・契約情報の検索」では、「入札前」「入札完了」「契約完了」「指定なし」を選ぶことができます。
すでに入札と契約が完了した入札結果を見る場合は「契約完了」を選びます。
この検索ページでは、様々な条件を絞り込んで検索できますので、ご希望の条件に合わせて調べてみてください。
入札結果の読み方
公開している入札結果には、入札傾向を分析するための重要な情報が含まれています。
例えば、
- どのような事業者が入札しているのか?
- 落札したのはどの事業者なのか?
- その入札案件で、落札できる上限価格や下限価格はいくらなのか?
などです。
入札結果を読み取ることで、熊本県の入札傾向を深く調べることができます。
しかし、表示される入札結果では専門的な用語が使われていて、少しわかりにくいかもしれません。
そこで、ここでは「工事・コンサル」を例に入札結果の読み方をまとめてみます。
※発注する業務の分類により、表現が変わることがありますのでご注意ください。
【一覧表に表示される項目】
| 項目 | 内容 | 事例 |
| 施行番号
電子入札案件番号 |
入札案件を識別するためのシリアルナンバーです。 | 2022-5020230071
0100220010020200055 |
| 業種種別 | 熊本県が分類している種別です。 | 土木一式工事、建築一式工事
など |
| 工事・業務名 | 入札内容がわかりやすいようにつけられたタイトルです。 | 国道○号単県道路舗装修繕(地質調査)委託 |
| 入札及び契約方法 | どのような入札方法で落札者が決定したかについて書かれています。 | 随意契約、通常型指名競争入札など |
| 開札(予定)日 | 入札の開札が行われた日です。 | 2020/00/00 |
| 状態 | この案件が今どの状況か書かれています。 | 入札前、入札完了、契約完了 |
| 入札結果 | クリックすると、入札結果についての一覧表が出てきます。 | |
| 契約結果 | クリックすると、契約結果についての一覧表が出てきます。 | |
| 電子/紙入札区分 | 入札が電子入札なのか紙入札なのか書かれています。 | 電子 |
【入札結果】
一覧表の「入札結果」ボタンをクリックすると出てきます。
| 項目 | 内容 | 事例 |
| 場所 | 工事が行われた場所です。 | 〇〇郡〇〇町〇〇内 |
| 予定価格 | 落札の上限価格のことです。 | -円(消費税及び地方消費税相当額を除く。) |
【契約結果】
一覧表の「契約結果」ボタンをクリックすると出てきます。
| 項目 | 内容 | 事例 |
| 施行担当部署 | この入札・契約の担当部署です。 | 県〇〇本部〇〇地域振興局 |
| 概要 | 工事内容の概要です。 | 災害測量設計 路線測量350m 護岸設計350m |
| 契約金額(税込) | 落札後の実際の契約金額です。 | -円 |
| 契約日 | 熊本県と落札者が実際に契約した日です。 | 2020/00/00 |
| 工期 | この案件の工期です。 | 2020/00/00 ~ 2020/00/00 |
| 業者名称 | 落札し契約した事業者名です。 | (株)〇〇 |
| 所在地 | 落札し契約した事業者の所在地です。 | 〇〇市◯町〇〇 |
| 代表者名 | 落札し契約した事業者の代表者氏名です。 | 〇〇〇〇 |
この他にも、補足事項として「随意契約理由」などの重要な情報があります。
現在募集中の熊本県の入札案件を調べるには

現在募集されている入札情報や、今後予定されている入札情報を集めたい場合、次のふたつの方法があります。
- 熊本県庁本庁や熊本県庁出先機関をまわり、各担当課で聞いてみる。
- オンラインシステムで調べる。
熊本県庁内の課や出先機関をまわるのは大変ですね。
方法としては、2.のオンラインシステムを活用する方が、楽に調べることができます。
先ほど開いた「くまもと県市町村 電子入札システム」では、過去の入札結果と共に、現在と未来の入札案件も紹介されています。
ここで注意していただきたい点は、入札案件を調べる際に以下のように、入り口がふたつあること。
✔︎ 「工事・コンサル」
✔︎ 「物品・委託等」
検索方法は、「工事・コンサル」も「物品・委託等」も同じです。
ここでは「工事・コンサル」を開いてみてみましょう。
(出典 熊本県)
「情報公開サービスシステム」の「発注見通しの検索」「入札公告等情報の検索」を開きます。
募集される、もしくは今後募集される入札案件は次のふたつの入り口から調べます。
| 発注見通し | ・現在まだ入札公告は出されていないが、今後予定されている入札などの案件です。 ・土木・コンサルの案件のみ紹介されています。 ・詳細版は、熊本県土木技術管理課で公開されています。 |
| 入札公告 | ・現在募集されている入札の案内です。 |
土木・コンサルなど、大規模な計画になると予定の段階で公開されますので、是非ご確認ください。
リンクを開くと検索ページが出てきますので、必要な条件を入力してみましょう。
熊本県の入札に必要な準備は?

実は、入札案内の中で良い案件を見つけたとしても、そのまま参加できる訳ではありません。
入札に参加するには、事前準備が3つあります。
✔︎ パソコンやネット環境を整える
✔︎ 競争入札参加資格をとる
✔︎ 電子入札システムの利用者登録をする
ひとつひとつ説明しますね。
準備1. パソコンやネット環境を整えよう
熊本県の入札は、原則 電子入札のみ。
そのため、まずは熊本県指定の方法でパソコンやネット環境を整える必要があります。
熊本県が推奨する、スペックのハードウェア、ソフトウェア、ネットワークであるかどうか確認してください。
さらに、個人識別のためのICカードも必要ですので、あらかじめ準備しておきましょう。
※細かな変更などもありますので、必ず最新の情報でご確認ください。
準備2. 競争入札参加資格の申請をしよう
入札に参加するための事前審査があります。
審査のポイントは「落札後、ちゃんと契約を履行できるのか?」という点。
競争入札参加資格の審査には、書類の作成や公的書類を集めることなどが必要です。
慣れないと作業に時間がかかってしまう可能性がありますので、早めの準備をおすすめします。
※必ず最新の情報をもとに申請しましょう。
準備3. 電子入札システムの利用者登録をしよう
電子入札システムを利用するためには、電子入札システムの利用者登録が必要です。
電子入札システムは、利用時間に制限がありますので、利用時間に注意して利用者登録をしましょう。
※細かな変更などもありますので、必ず最新の情報でご確認ください。
おわりに

今回は、熊本県の入札について解説しました。
地方自治体は、過去の実績を重視するところが少なくありません。
熊本県の入札に参加し業績を作ると、その他の自治体での自治体ビジネス開拓にもプラスになります。
熊本県の入札において注意する点は次の3点です。
✔︎ 紙入札は原則できない
✔︎ 事前準備に意外と時間がかかってしまう
✔︎ マニュアルは必ず最新版
是非、早めの準備をおすすめいたします。







